2年ぶりの議会質問(令和2年6月定例市議会一般質問内容)

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日時:6月23日(火)10時00分〜11時30分

場所:泉佐野市議会 

内容:6月定例会の一般質問で質問・提言した事

※時間の関係で発言できなかったり、これ以外に発言した内容もあります。市執行部の答弁も併せて、ぜひ泉佐野市議会の動画をご覧いただけましたら幸いです。

https://youtu.be/ILAQR8Bh87Q


原稿

 おはようございます。チーム泉佐野創生の大和屋 貴彦でございます。
 まず冒頭に、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。そして、その拡大の影響で被害を被られた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 誰も予想できなかった事態に、国が、世界が、揺れました。今、この未曾有の危機、新型コロナウイルス感染症終息に向けて、全世界の思いがひとつになっている状況ではないでしょうか。しかし、世界の感染拡大の状況から、この現状を脱することが非常に困難であるという共通認識も拡がりつつあるように思います。
 世界や社会の常識、紡がれてきた伝統文化、あらゆる物事に大変革をもたらさなければならない状況がやってきたと思っています。幸いにも、現段階で、日本国内の感染は封じ込めに成功していると思われますが、第二波、第三波がいつ到来するやもしれません。それらに備える短期的な目線はもちろんですが、さらに先の時代を見据えた長期的な視点で、自治体、教育、まちのあり方に大変革を加えるべき時がやってまいりました。
 奇しくも2年ぶりにいただいた質問の機会が、時代の大転換期真っ只中となりました。どこの国よりも、どこのまちよりも、住民・市内事業者を第一に大切にし、新時代において、共に発展繁栄できるまちへのさらなる創生への第一声となることを願い、ただいま向江英雄議長よりご紹介のあった項目に従って、会派を代表して質問して参ります。
 よろしくお願い申し上げます。

1.新型コロナ対策で市内にふるさと納税基金100億円の還元を

 1.新型コロナ対策で市内にふるさと納税基金100億円の還元を、についてお伺い致します。
 平成30年度ふるさと納税で約500億円もの寄附に達する上で、100億円還元キャンペーンなるプロモーション戦略が最後の追い込みで功を奏したと記憶しています。新たな自治体経営のあり方を全国に知らしめる、本当に素晴らしい取組であった、と敬意を表します。この1週間後の30日に下される最高裁判決が、新時代における国と地方自治体のあるべき姿を示してくれることを、切に願います。
 さて、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、市民生活と地域経済に大きな打撃が生じた中で、ふるさと納税で得た寄附の使い道は、市民の大きな関心事であります。この国難、世界的な危機において、泉佐野市が有するアドバンテージはふるさと納税日本一を実現したノウハウとそれによって蓄えられた基金であると考えます。
 今こそ、「泉佐野市で住んでいてよかった。泉佐野市で仕事をしていてよかった。」と、そう思ってもらえるような大胆な新型コロナウイルス感染症対策を講じるべきと考えます。そこで、以前100億円還元キャンペーンで集めた寄附を改めて「100億円還元」と銘打つ形で市民、市内事業者限定で還元する姿勢を示すべきである、と考えます。
 新型コロナ終息後の世界、アフターコロナの新世界で、泉佐野市が大きく飛躍できるような土台構築に早急に着手すべきであると考えます。なぜなら、この国難の大変な時だからこそ、どこよりも手厚い支援策を講じることで市民、市内事業者との信頼関係をさらに深めることができるからです。まちの発展の原動力は、住民と行政との信頼関係にこそあると確信しています。
 実際、この度の特別定額給付金の支給もとてつもない速さで実行していただいたことで、その信頼関係が着実に醸成されつつあるのを実感しています。このタイミングで、新時代に対応できる自治体変革の道を歩むことができるはずです。そこで、⑴現在の新型コロナウイルス感染症対策の市独自策の紹介とその総額、そしてふるさと納税で得た基金残高と今後の行先の決まっている経費の想定をお答えください。
 この度の提言は、基金を放出するだけの単純な発想ではありません。ここが重要です。「新たな財源確保と経済効果で100億円の価値を生み出すこと」、そのような戦略によって「市内に安心感と信頼感を巡らせること」を視野に入れた提言、とさせていただいております。それを実現する為にも、今年官民共同出資で創設された株式会社さのたすの役割に着目しています。
 次に、⑵株式会社さのたすは、ふるさと納税の受注業務などを請け負うと伺っていますが、その現状の実績と、新たな税外収入の確保策の案があるのか、お答えください。また、私の提案としては国の財政制度に変革をもたらす可能性のある自治体ICO(Initial Coin Offering)、いわゆる自治体イニシャル・コイン・オファリングの実現可能性についてどのようにお考えか、お答えください。これが実現できれば、国内を対象としたふるさと納税以外に、国外からの外貨を稼ぐ手段にもなり得ますので、よろしくお願い申し上げます。

2.ICTを駆使した教育日本一の泉佐野モデルの構築を

 2.ICTを駆使した教育日本一の泉佐野モデルの構築を、についてお伺いいたします。
 さて、平成26年12月定例会の一般質問から全小中学生への一人一台タブレット端末の導入や反転授業の導入を提言させていただき、その通過点として、第三小学校で一人一台タブレット端末の導入が実現しました。
 この度の長期の学校休業措置により、児童生徒たちの学力保障が大きな課題となっております。3月定例会の予算特別委員会でも、情熱を持った教諭によるプロジェクトチーム編成で、今でき得る手段での早急なる動画授業配信等、ICTを駆使した教育の実施を提言させていただきました。その後、文部科学省が早急なる対応が必要ということで、前倒しでICT化の予算編成が行われ、今定例会の補正予算にも計上されたところでございます。
 そこで、⑴ICT教育の現状と今後の展開について、全小中学生への1人1台タブレット端末導入のスケジュール等の詳細についてお答えください。⑵今回の休業中の教育委員会と学校現場における取組についてお答えいただき、情熱を持った教諭プロジェクトチーム発足による教育の泉佐野モデルの構築の可能性についてお答えください。

3.あらゆる社会課題を解決する超スマート社会をめざして

 3.あらゆる社会課題を解決する超スマート社会をめざして、についてお伺いさせていただきます。
 こちらも新型コロナウイルス感染症対策関連の質問です。勤労形態の一種で、情報通信技術を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態であるテレワークの推進が図られ、とてつもない勢いで社会経済におけるICT化が加速しています。
 そして市民生活に直結する支援についても感染症拡大防止の観点から郵送又はオンラインでの申請が中心となりました。市民生活を守るため、支援策とその情報が市民に到達する速度はより速くなくてはなりません。
 そこで、市として最も情報発信の速い媒体はホームページとなっております。しかし、ICT機器を使いこなせない方々にとっては、月初に配布される市報か口伝いの情報でしかありません。この期間、電話で、支援策の申請やICT機器の使い方についてご相談いただくことがたくさんありました。
 このような感染症拡大の緊急事態において、「デジタルデバイド」、いわゆる情報格差が生じていることで、市民生活に大きな損失が発生している可能性があると判断しました。2年前の台風第21号の折も、市役所1階で、ブルーシート配布の件で、不公平感があるということで、私と松下副市長が市民さんから罵声を浴びせさせられることもありました。そのようなことが今後起こらない為にも、市役所はもちろんですが、まち全体と市民生活のICT化を推進すべきであると考えます。 
 平成29年12月定例会の一般質問で市民公聴の推進を図るためにもLINEの導入を提言させていただくと共に、これからの町会・自治会運営にコミュニティ離れする若い世代との関係を再構築できるICTの活用が不可欠であるという見解から、SNSなどを活用したバーチャルコミュニティの導入を提言させていただきました。
 そこで、⑴政府が掲げるSociety(ソサイエティ)5.0が示す新たな社会像と制度概要について、電子政府先進国でもあるエストニアの事例を用いてご説明ください。⑵また、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案、いわゆるスーパーシティ法案がこの5月に成立し、6月3日に公布されましたが、この構想について市執行部は把握されていますでしょうか。さらに、1月23日に開催された内閣府の第48回総合科学技術・イノベーション会議において、ムーンショット目標が決定されましたが、これについても把握されていますでしょうか。
 どちらも、これからの世界の向かう方向を示しているのだと思います。あいにく日本は、人口減少・超高齢社会という厳しい現状の中になりますが、これらの構想を実現することでそれらの課題は解決されることになるでしょう。さらにいうならば、そのような厳しい状況であるからこそ、日本において導入が推進されると考えます。この通過点に千代松市長が掲げられる100人の市役所体制があるのだと思いますが、泉佐野市としてはどのようなご見解でしょうか。
 以上、理事者の皆様の簡潔明瞭なるご答弁をよろしくお願い申し上げます。


市執行部の壇上答弁


私からの再質問

再質問1-⑴-①

大阪府との協働で行った休業支援金や市税免除や減額分を含めると市のコロナ 対策は今年度総額でいくらになると想定していますか。

再質問1-⑴-②

先日の記者会見で関空自身は純利益も増加し、キャッシュもあり、今年度は乗り切れる、という見解を示されましたが、空港の成長力が泉佐野市にもたらした恩恵を考えた場合、関空島内における企業支援の観点から、空連絡橋利用税の減免に代わる何らかの措置を講ずべきではないか、と考えますが、いかがでしょうか。

再質問1-⑴-③

家賃補助を政令市が打ち出し、国も打ち出すことになりましたが、大阪府の休業外支援のように、本市としても独自に支援に乗り出すお考えはありますか。

再質問1-⑴-④

以前、100億円キャンペーンを行った際に、事業者のソフトランティングや事業支援を行うという趣旨を謳われていましたが、どのようなことを実施されましたか。

再質問1-⑴-⑤

コロナ収束後の世界で大きな第一歩を踏み出すためにも、既存産業のICT化・ブランディング支援、新たな産業創出のための支援、ベンチャー企業の創業支援に集中投資することで、世界と戦える産業育成への大転換を促せると考えますが、どのようにお考えでしょうか。

再質問1-⑴-⑥

さらなる新型コロナ対策の支援措置、減免措置、それに加えてふるさと納税の復活はもちろんですが、それ以外の税外収入確保策としての自治体ICOなどを活用して総額100億円の市独自の支援策、つまりは100億円に相当する価値の支援策及び経済効果の創出を打ち出していただきたく存じますが、ご見解をお聞かせください。

再質問1-⑴-⑦

100億円で支援するという姿勢を示す新型コロナ対策復興プロモーションなる手法を打ち出していただきたいと考えておりますが、そのようなお考えはありませんか。


再質問1-⑵-①

例えば、本市が発行している地域通貨「さのぽ」を仮想通貨という位置づけとして、その購入権を投資家に購入していただき、市の新たな事業展開や規制緩和に向けた動きを支援していただく流れは構築できないでしょうか。
例えば、旧泉佐野コスモポリス跡地の産業集積化プロジェクトで、新たなまちづくりを推進することに対する投資を募るなどの手法です。


再質問1-⑵-②

さのぽの受託者のICPや、株式会社さのたすがさのぽの運営主体となれば、ICOの実施は可能でしょうか。

再質問2-⑴-①

また、不登校児童生徒問題で関わった折にも提言させていただいたが、動画配信授業でもオンラインに限らず録画動画による単元ごとの授業展開によって、今回のような不測の事態に対応できたり、不登校児童生徒の学習機会の確保を実現できると考えていますが、オンデマンド式の動画配信授業については、どのようにお考えでしょうか。

再質問2-⑴-②

平成26年12月定例会から提案させていただいている反転授業の導入にもオンデマンド式が有効であると考えますが、反転授業の導入について、どのようにお考えですか。

再質問2-⑴-③

オンライン授業に出席しなかった児童生徒、不登校児童への学力保障を考慮する上で、動画授業の録画が有効と考えますが、どのようにお考えですか。

再質問2-⑴-④

第二波、第三波、さらには大規模災害に備えた学習保障について、対策はどのようにお考えですか。


再質問2-⑵-①

3月定例会の予算特別委員会で、動画配信授業の早急なる導入を提言させていただきましたが、この臨時休業の間、市及び学校での取組み状況は、どうでしたか。

再質問2-⑵-②

独自の調査で、一部の熱心な教諭が児童生徒の学力保障を優先し、独自の動画授業を配信されたと伺っていますが、この流れについてはいつ時点で教育委員会が把握されていたのですか。

再質問2-⑵-③

この流れを支援すべく、教育委員会が先手を打っていく必要があったのではないでしょうか。家庭におけるインターネット環境未整備の児童生徒が、概ね5%前後と厚生文教委員会でもご答弁がありましたが、未整備家庭のわずか5%を3密回避で登校していただき、その場で授業する風景を録画し、限定配信することで、全ての児童生徒に学力保障を行うきっかけづくりを行うことが可能であったはずと、考えます。なぜ踏み切らなかったのですか。

再質問2-⑵-④

6月16日の読売新聞朝刊で、寝屋川市が15日から感染する不安から投稿を控える児童生徒に向けた授業のライブ配信をスタートさせ、通学できない児童生徒への活用も検討されているとのことです。本市としては、選択登校制なるものの導入とこの5%前後の未整備家庭へのフォローアップを行い、即座に動画配信授業を行う考えはありませんか。

再質問2-⑵-⑤

このような熱心な教諭を支援する流れを生み出し、プロジェクトチーム化することが、この泉佐野市の教育を改革する大きな流れになると考えられます。
教育長にそのようなお考えはないのでしょうか。


再質問3-⑴-①

現在、本市でAIなど先端ICT技術の活用を検討している業務はありますか。

再質問3-⑴-②

以前にも提言したが、広報公聴におけるLINEの導入の進捗はどうですか。

再質問3-⑴-③

最近はLINEなどのツールを活用する高齢者も増えてきているものの、そういった情報通信技術や機器を使いこなせない方もいる。これをどう解消していくべきと考えますか。

再質問3-⑴-④

官民連携の観点からこのタイミングで泉佐野モバイルが動き出すべき時だと思います。設立以来の泉佐野モバイルの登録者数の推移を教えていただけますか。

再質問3-⑴-⑥

泉佐野モバイルと連携し、スマートフォンをお持ちでない方々への営業を行う、もしくは、スマホ補助みたいな制度の構築についてお考えはありませんか。

再質問3-⑴-⑦

SNSを活用したバーチャルコミュニティの形成について、まずはその先駆けとして、町会長にはタブレット端末の貸与を行うのはどか、と昨年度の行財政委員会の行政評価で提案させていただきました。
送付されてくる資料を処理するだけでも大変と言うお声をたくさん頂戴する中で、タブレット端末にLINEを活用して情報を送信し、YESかNOなどで返答できるような簡単な仕組みを作るすべきと考えますがどうでしょうか。

再質問3-⑵-①

現在、市報が配布されるのは町会加入世帯のみとなっています。
今回のような緊急事態時は、情報格差が生じやすいことから全戸配布を行うべきと考えるがどのようにお考えか。


 最後に申し上げます。新型コロナウイルス感染症が発生する前の泉佐野市は、まさに関西国際空港とともに飛躍する推進力で世界に飛び立とうとしていました。
その原動力となっていた、航空業界並びに宿泊業界がインバウンドが見込めなくなった現在、これからの飛躍は非常に困難な状況となりつつあります。
 しかし、泉佐野市には、国内需要でも勝負できる魅力がたくさんあります。
それをプロモーションする技術力もあります。それらの力を最大限発揮するためには、泉佐野市役所はもちろん、市民、市内事業者の皆さんの意識改革に加え、新時代に向けたあらゆる側面でのアップデートが求められます。
 このコロナ禍で、あらゆる物事をゼロベースで見直すチャンスであると捕まえています。日本が抱える超高齢社会・人口減少社会は弱みではなく、強みです。この好機をしっかりと掴み取り、新時代にさらなる飛躍を遂げられる、日本一のまち 泉佐野をめざすべく、ぜひ、この度の私の提言にお力添えを賜りたく存じます。
 私からの質問及び提言は以上です。
 理事者各位をはじめ担当課関係各位並びにご清聴いただきました皆様に心より感謝申し上げ、私からの質問を終了させていただきます。ありがとうございました。



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