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或る日の記① 大学の狩人

「乱」と「北」どちらが字の形が美しいか。
大ホールで行われたコンテストの命運を分ける私の一票は「舌ヒ」と書かざるを得なかった。
 起きた時「心」こそが上位に入るだろうと思った。二度寝から目覚めて、天窓の青さに寂しさを感じ、分厚い食パンにイチジクのジャムをかけて食べた。

 ある人はクレオパトラと言い、ある人は天功と言い、ある人は山口小夜子と思っている海風のような素敵な女性と、昼下がりの大学の森の中のオアシスに新聞をひいて座り込みながら、宗教学第4回目の講義の冒頭13分だけ受けた。
 そして、蛇を捕まえに森へ入った。日本酒漬けにして臭みを抜いて、塩焼きにして食べようと思った。彼女が浮遊しているように森に入っていくのを私はスマホで撮っていると、後ろの小道を歩く小学生の集団に「ユーチューバーかな」と言われた。

日本社会の分岐点について、なぜ私は分岐点を今まで考えず、オルタナティブな未来をイスラム圏に求めようとしていたのかの内省をつらつらと話しながら、横浜弁当を買い、骨董屋に入る。ここの店主が好き。時間をきちんときらきらと内含しているガラスの美しさよ!シーグラスの夢のしずく、あたたかなつめたさよ!!

2021年11月4日 日記

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