マリオのスター

わたしは双極性障害と診断を受けたことがある。
幸いにも派手な躁転は経験がないが、今考えるとあのときおかしかったなあということが度々ある。

例えば、わたしは一時期哲学の本を読むことにハマっていた。乱読していた。最初は意味がわからないが、ある瞬間にぶわーっと理解できる時が来る。その瞬間が堪らない。アドレナリン大放出。テンションが上がる。マリオで言ったらスターをとった無敵状態。

しかしそれも短期間のこと。スターの効果が切れると、フラットな状態を越えて闇堕ちする。

抑うつに入ると、すぐ絶望して泣く。
自分の意思では下手な運転しかできないから、スターは取らないほうがいい、地味に安定した生活を目指すのがいいと落ち込む。

わたしはオタクでもあるので、好きなものへの愛情が深い。ただ、好きなことを仕事にできるような技術は今のところ持ち合わせていない。だから好きを追いかけるための金銭が必要で、そのために働いている。

そのための労働で、気分の変動が大きくなると、好きなことに費やせなくなる。

好きなことも追いかけながら、労働しているオタクはすごい。
わたしはその両立が下手、というか労働の選択が下手だった。

両立、したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?