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「トッレートレトレトッレー」No.2

              2,
「田邉屋の薄皮饅頭食いながらでええから聞いてくれ、実を云うと、あれからな、ワレとお花坊は、或るビジネスを展開しててんや」
「すぐアカンなったんやろ」
「先に答え出すな」
「何やってててん」
「ロマンス詐欺」
「何やロマンス詐欺て、所謂、結婚詐欺、みたいなん、やっててんか?」
「ま、結婚詐欺の一種、かも知れんな、云うてみたら」
「云わんでも結婚詐欺やろ」
「実はな、お花坊、お花坊が、逆に国際結婚詐欺に掛かってしもうて、持ってた郵便貯金、全部、騙されて、海外送金してしもうたんや、
ほんで、色々調べてみたら、
(資料その1.2022年の特殊詐欺:全国で被害370億円、8年ぶり増加―警察庁
社会 2023.06.06
フィリピンなど海外在住のグループが「闇バイト」の若年者を操る構図が明るみとなり、悪質さがあらためて注目された「特殊詐欺」。2022年の全国の被害額は約370億円と、前年比3割も増加した。
警察庁がこのほど公表した2022年の特殊詐欺関連統計(確定値)によると、全国の被害額は前年比88億8000万円(31.5%)増の370億8000円と、8年ぶりに増加した。認知件数は同3072件(21.2%)増の1万7570件だった。
警察の摘発件数は6640件(前年比40件増)、摘発人数は2458人(同84人増)だった。摘発された人のうち473人が20歳未満で、その約7割が現金などの受け取り役の「受け子」だった。インターネット上で実行犯を募る「闇バイト」で勧誘されたケースもある)
  せやけど、このデータの中に、国際結婚詐欺についての記事も数字もない、ほんで、もっと詳しい調べてみたけど、流石にwikipediaにも殆どその資料が無い。無い、ちゅうことはやられ放題騙され放題、返せばやり放題、騙し放題やいうことや、と云うことは、やっても捕まらんちゅうことや。  
 そこで可愛いお花坊に、お花坊、インターネットの交流サイトに、シースルー、透け透けのピンクのネグリジェみたいなん着せて、ほぼ裸の写真、云うても後ろ姿の写真、ネットに載せてロマンス呼びかけたら、まあ、来るわ来るわ、メールボックスパンクする位世界から反応があって、その中から、金持ってそうなど助平爺だけ選んで、
(父がコロナに罹患り、今治療受けていますが、重篤で、人口呼吸機のエクモの治療が要ると医者に云われている、しかし、患者が多くて順番待っていると、父は死んでしまう、だけど、1千万も払えば順番先取りしてくれると話が付いています、誰か助けて欲しい、助けて頂ければ、父快癒の後、難波裏の、小料理屋で、たった二人きりで、んふんふ…)とネットで泣きついた。
 そしたらなんと、三日後には合計、億の金がお花坊の郵貯通帳に送金されてきた。それでやめときゃよかったのに、お花坊、或る男から写真添付のメール受け取って、男が云うには、
(私も金を送ってやりたいが、自分の母親が不治の病、もう10年も意識がない寝たきり、だけど、医者に、億の金渡せば、必ず助かると云われた、その男は、毎日のように母への愛情と、お花坊への劇熱の恋心を訴えて来た。
添付した写真、まあ、その写真、昔、お前ら知らんやろけど、アランドロンてフランスのワレの次に男前の俳優おったけど、それによう似た男前で名前もアラマドローン、ワレ、ふと思うたが、お花坊に聞けば、男はナイジェリア人や云う、ナイジェリアに白人おったんか、それにナイジェリア人の名前て、エメチェベとか、オロンゴとかイボとか云う名前ばっかしやし、それに友達のキリやんに聞けば、ナイジェリアて、油掘るの止めて詐欺で儲けてる国やでと教えてくれた、それで、お花坊にそれ教えたったら、
(うそや、そんなん嘘や、そのキリやんて、白い髭伸び放題にはやして、杖持って歩いてる爺いか)
て尋くんで
(そうや)
と教えたったら、お花坊、めっちゃ怒りだして、
(この前、教祖、居てない時、そのキリやん、うちのお尻触って、へらへら笑うてたエロ爺やねんで)
ま、あのキリやんならやりそうなんで、ま、それでも、お花坊、やっぱり余りに悲しんで、もう惚れ切ってしもうてたんやろな、アラマドローンに云われるままに、ワレに内緒で、瓜破のフィリピン人が経営する地下銀行から、何回かに分けて送金して、ワレがこの前、お花坊、ロマンス詐欺でなんぼ稼いだか調べよう思うて、通帳みたら、残金、888円、アハハて笑うたがな。そいで初めて事態知って、閻魔に頼んで調べて貰おうとしたが、管轄が違う、これはキリやん、本名キリストに頼めて云われて、キリストにパン一斤寄付して調べて貰うたら、ナイジェリアにも、アフリカの何処にも、そんな写真の男は居てない、もっと詳しい調べて貰うたら、ポルツガルにアランドロンのそっくりさん俳優がおって、どうもそいつらしい。それでそいつに金返せと交渉して貰うたが、そいつが云うには、
(自分は写真を勝手に使われた、だけやねん。自分の母親はピンピン元気で、この前、親父棄てて若い男と駆け落ちしたとこやね、自分は知らぬ、存ぜぬ、やんかいさ)
の一点張り。
 現状では金を取り戻せる術はほぼないとまで断言された。もうこないなったら諦めるしかない、せやけどワレは悔しい、お花坊、毎日泣いとる、悔しいのかって聞いたら、悔しいのやない、もう恋しいアラマドローンさんと会えなくなってしまったことが悲しい、て云うてやないか、女心やなあ、て云うてたとこやね。
 そいでや、ワレも、一発勃起、ちゃうわ、一念発起して、もう一回、ロマンス詐欺掛けて金、他のエロボケ爺からふんだくってやろう思うて、今度は世界に広く拡散して、そのために人材を集めてるとこやねん。
  この前ひょこっと、上六で女の子捜してうろうろしてるキリやんに遭って、聞いてみたら、やっぱり世界中で結構、この手の詐欺がある、あ、丁度、良かった、この前、BBCの記事読んでたら、おもろいの有ったんで、それ、メール添付で送っとくから読んでみたらええわ、て次の記事、送ってくれたんやけど、今も云うし、英語、さっぱりや、何かそれらしいの書いてるみたいやけど、興味ある人は読んでみて。続きは、BBCで。
 読めば、詐欺の手口、やり方、シチュエーション設定は世界万博共通やと判る。必ずどっちかがエエ氏の出で、街で擦れ違った悪い奴に絡まれているところを助けてくれた、そこから恋が始まる、昔の、浜田光男、小百合の映画ふうな韓ドラ仕立てふうな舞台や。
 By Harvey Day
BBC News
Sept.17, 2023

A romance scam victim, a fraud expert and the writers of a new BBC thriller explain how gaslighting is used to cheat people out of their money.
After divorcing her husband of 24 years, Linda Young found herself alone in her home in a small, coastal town. Her grown-up children had finished university and were out of the house - and she didn't know too many people nearby.
She was ready for a new relationship, so she decided to try online dating. And Linda - a busy special education school administrator - soon met a handsome man on a dating website for over-50s.
In the space of just six months, however, she would be conned out of more than £120,000 ($150,000).
Through daily emails, texts and late-night phone calls, Linda recalls how she fell "head-over-heels in love" with her scammer - and the pair bonded over their shared fondness for dogs.
"He would be so loving and caring," Linda remembers. "I just couldn't stop the adrenaline rush. It was addictive. Every time my phone buzzed or a text came through from him, my whole world just lit up."
They were soon dreaming - or so she thought - about their future life together, which is when he asked for money to invest on their behalf.

「不純やな、動機が、相変わらず、することが。で、どんな人材や、初めに云うとくけど、ワイら二人は関係ないやろな。ワイら明日、徳やんに連れられて八丈へ行くんや」
「応募資格は、今も云うし、世界股に掛けるんで、英語喋れるヤツを最優先、出来たら、浪漫の大国フランス語、イタリア語、情熱のフラメンコのスペイン語、ま、何でもええ、せやけど、中文と露語だけは要らん、喋るだけで貧乏人、乱暴者、詐欺やとバレてまう。ハングルも要らん、生野へ行きゃ皆な喋りよる、すぐバレてまう。
 それに男前、これは絶対条件やな。出来たらそんな優秀な人材、二、三人ばかし雇いたい。女はお花坊一人で十分。それに、銀行業務、特に外国為替実務に強うて、外為関係の法律にも強い奴、が欲しい。この必須条件は、騙されたんはワレがこの方面に知識が無かったて云う反省に立ってこれ考えてん」
「お前、あほやろ、英語喋って、男前で、銀行外国為替業務や法律に詳しい?そんな奴があんたの話、まともに聞いてくれると思うか?どアホ」
「そないポンポン怒らんでもええやろ」
「云うとくけど、わいも相方も、日本語さえまともに喋られへんのやで、どっから見ても銀行や法律には縁無いで、云うとくけど」
「ま、あんたらには初めから期待しとらん。せやけど、そんな人材集まらんかったら、あんたらにも頼まなあかん」
「あんたな、聞くけど、ほな、今、何でここに来たんや、そんな人材集めるんやったら今、めっちゃ忙しいやろに」
「せやね、そいでな、この前からな、難波の宝くじ売り場の前で、お花坊が
(私は、青い目の外人さんとのロマンス叶える、愛のキューピット)
て書いたプラカード首にぶら下げて、金色に塗ったギター、アキラふうに抱えて「ロマンスショー」の節に合わせて
♪うちらようきなロマンスショー♪
と歌わせててんけど、誰も、声かけて来えへんし、終いにはお花坊、犬に咆えられて逃げて来た」
「よう、あんなとこに犬、おったな。それよか、世界中に事業拡大するみたいに云うてたけど、難波の宝くじ売り場のどこが世界やね」
「難波から新世界、通天閣、すぐ近くに見えたあるし、駅からラピートで仰山、外人さんが乗って降りて来てたん見て、ここや、と直感してんや、ここやったら絶対や、と」
「お前、ほんまアホやろ。ほんで誰も寄って来んで、しんどなってやめて来たんやろ」
「ザッツコレクト、ムイビエン、シェーシェー」
「死ね」

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