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「トッレートレトレトッレー」No.4

               4,
「ほんで、今度は、いったいどんなアホすんね」
「薄皮饅頭、口一杯頬張って喋るな。実は、やな」
「お前の(実は、やな)で実なこと有った試し無い。それに矢鱈と会話多くない?それも無駄な」
「しようないやろ、落語仕立てで、行数稼ぐとこ無いねんから。ほな、(え?)とか(ん?)で一行稼ぐか?
実は、な、今度は、ちょっとポリチカルにやろう、思うてんね」
「ポリチカルて何や、ポリバケツみたいな顔して」
「誰がポリバケツや、第一、見えてないやろ、ワレの顔。実はな、ここだけの話」
「ここだけの話やろ、全部。もう行数、稼がんでエエから、話、先、進めてくれ」
「実を云うと、もう、持ちかけてんね、お花坊が、おーおー、可愛いお花坊、
♪お花坊、嫁に、貰うぐらいならばよ~、なんぼか、池に飛び込んで死んだ方がましかいな~学校法人、宗教法人抱き合わせ、金を餌に、世の悪人共を釣り上げよ♪
  その閻魔庁で身柄預かりの男から話聞いてて、な、ワレはすぐ思い付いたんや、この男の話、うまいことやったら、銭儲けになるんやないかてピンと来たんや」
「せやから、何んやね、何すんね?」
「宗教法人学校法人の認可絡みで国から金、巻き上げたるんや」
「また、宗教法人絡みか、この前、失敗したの、もう忘れたんかい」
「ちゃうね、この前失敗したんは、ワレらだけで、ひと騙して、云う筋書きやって、それで失敗したと云う、猛反省の上に立って、建てた計画やね。それに、やっぱ、好きなんです、しょうないやろ、専門やし、どうしても、そこに腐るほど金があるよって」
「その腐る程有る金の、一銭でも手に入れたことないやろ、このどアホ」
「そのどアホ云うの止めてんか。2度迄は辛抱出来るけど、3回目はアカン」
「それに何んて?国から金、巻き上げるんやて?」
「せやね、実は、な、もうワレのプロジェクトは始まってんねや。ロマンス詐欺に掛かって、アラマドローンの写真、豊胸の間に挟んで意気消沈、毎日泣いてたお花坊が、ようやっと、鍵かけて籠ってた部屋から出て来て、そのお花坊がな、かーわゆいお花坊が今話もちかけてんね、キャバレーで」
「エライ古いな、キャバレー、て。今日び、云うても300年後のことやけど、京橋ぐらいしか無いやろ、それか千日前、西田辺、♪京橋はエエとこだっせ、知らんけど♪」
「踊んなや、急に。ええや、そんなん、こだわれへんかったら。ちゃうね、手伝うて欲しい、ね、君たち二人にも、今度のビジネスには、君たち二人の力が是非必要なんだ」
「何、いきなり劇画調に云うてんね。そない前も云うてて、ワイらおってもおらんでもどうでもええ役やったやんけ」
「キミたちが加わってくれれば百人力、但し、指示は私から出す」
「どっからやね、プノンペンか、リマか、モスクワか、平壌か、ブエノスアイレスか、サンクトペテルブルグか、ほんで今度はワイらの名前、何んやね」
「ワレがプッシで」
「プッシ、て、もしかして、英語でやらしい、あれのこと、云うんちゃうんけ、ほんで、ワイらは?」
「23号さんがオッシ、24号さんがコッシ」
「オッシ、コッシて、オシッコ、みたいやん」
「せや、この前オシッコしてる時、急にチンチンの先、痛うなって、それで、病院行ったら、淋しい病気やな、て嬉しそうに云われて、よう解らんけど、そのまっ赤なオシッコから連想したんや」
「ワイらの傍来んといてくれ」       
「詳しくは、ほな、300年マイナス7,8年の時空空間を抜けて向こうへ着いてから話すわ」
「ワシら、さっき看守の徳蔵さん、徳やんが来てめっちゃ嬉しそうに云うてたけど、明日、安治川の渡船場から舟乗って、八丈しかない島に旅立つことに決まってんて。何でも気象庁の予報で、台風が、シェーン台風が近づいてんねんて。滞在刑期は50年やて」

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