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クレイジータンク通信vol.180 『与えられる、ではなく、与え合うサービスへ』


クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。


◆クレイジータンク通信 vol.180◆

クリスマスシーズンも終わり、あっというまに年末年始へと突入しますね。

クレタン通信も今年最後の配信となります。

2023年、皆さま本当におつかれさまでございました。年末年始はどうぞゆっくり過ごされて、2024年に向けて英気を養ってくださいね。

今年最後のクレタン通信は、「お金を払ったらとにかく素敵なものが与えられる」という基本のサービスの形そのものを、今後は変えていくことができなければ、私たちが人としての本当の豊かさを感じて生きていくことが難しいのではないか?という問いについて、書かせていただきました。

皆さまの2024年が豊かな一年となりますよう願いながら、これからの時代の豊かさとは何か、について考えるきっかけになれば幸いです。

ぜひご一読ください。

【与えられる、ではなく、与え合うサービスへ】


こちらの通信でも何度も話題にあげております「保けん野菜」サービスは、2023年のはじめにトライアルが始まり、今年は本当にさまざまなチャレンジを重ねてきました。

※保けん野菜についてはこちら


サービスローンチ当初から、ずっと続けてきている「子どもやさい研究会」という子ども向けのオンライン習いごとのような場では、一つ一つの野菜をじっくり観察したり、味わったり、野菜が届くまでの流れを学んだり、農場を訪れたり、農場の方に自分たちで質問を考えてぶつけてみたり、野菜にまつわるさまざまなことを学びながら、それが自然と自分たちの生活と密着していることを感じ取ってもらえるように、焦らず、丁寧に、長期的視野をもって、会を重ねています。


子どもやさい研究会の一部のメンバーでは、自分たちで野菜を育てる「かてい農園」プロジェクトをスタートしており、第一弾として、直近2ヶ月ほどかけて、ほうれん草を育てました。



先日、その天塩にかけた(!?)ほうれん草を収穫し、普段、自分たちに野菜を育てて送ってくださっている、保けん野菜の契約農家さんである、長野県佐久郡にある「のらくら農場さん」と、埼玉県伊那市にある「ないとう農園さん」へ、ほうれん草をお送りする、というところまでを体験しました。



たった1株ずつの小さな小さなほうれん草でしたが、受け取ってくださった両農家さんからは、スタッフの皆さんやご家族も交えて、想像以上に喜んでくださり、その気持ちを表現してくださったメッセージや動画を送り返してくださいました。子どもたちはそれらを見て、誇りと自信を持ったようでした。


ここで、少し話は変わるのですが…

先日、クレタンメンバーが夢と魔法の国・ディズニーランドへ、何年ぶりかに訪れました。その時、以前訪れたときと明らかにキャストさんの“種類”が変わっていると感じたとのことでした。

その理由は、ここ数年で急激に進んでいるさまざまなテクノロジーの進化、snsの普及等によって、人のコミュニケーションの質が変わっているのだろう、と分析しています。

決して、「今はキャストさんの質が落ちた!サービス力の低下につながる!大変だ!」ということを言いたいのではありません。(ネット上では以前からのファンの方々の間でそういう意見も多々あるようですが…)

昔が良い・今が悪い、なのではなく、事実として、種類・質が変わった、ということを、時代の変化とともに私たちは認識し、それらに合わせて楽しむ必要があるのではないか、と思っています。

「与えられるサービスだけじゃなく、あの施設(ディズニーランド)が楽しい場になるように、キャストさんを、ゲストの自分たちが楽しませる、という気持ちで行くことも必要だよね」

とクレタン内では話しました。お金を払えば特別なものを与えてもらえる、と思うのではなく、

いっしょに創り上げる
お互いが楽しめるように努力する

そういった関係性を、さまざまな場で作っていくことができなければ、持続可能なサービスや場を残していくことが難しくなってくるのではないかと思います。

話は元に戻りますが、「保けん野菜のかてい農園プロジェクト」で起こったことは、まさにそういった「双方向のコミュニケーション」を、小さくとも発信していくことだったと、後から振り返っています。

お金を払えば、とっても良いものを与えてもらえる、だってそのためにお金を払ってるのだから…

という資本主義の合理的なサービス運営だけでは、今後の人口減少社会、AI台頭時代に、人間として生きる豊かさのようなものはいつまでも手の内にある感覚を持つことは難しいのかもしれません。

お金やサービスや損得を超えて、お互いのために一歩踏み出して努力すること、それをお互いが大切に思って、またその循環が次々と回っていく状態を、いろんな場所やサービスで見ることができる未来になっていって欲しいと思いますし、そのために、私たちはまず自分たちの足元から(たとえば保けん野菜のかてい農園プロジェクトのように)、進めていければと思い、行動を続けていきたいと思っています。


これで、本年のクレタン通信は最後となります。ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

迎える新年が皆さんにとって、心温まるような、人としての豊かさを体感するような、一年になりますように。

また来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください。

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