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2023年ベスト本~小説編~

今年は12冊の小説を読みました。その中で特に面白かった本について。

2023年 小説ベスト3

汝、星のごとく/凪良ゆう

2023年本屋大賞受賞作
以前、同じ凪良ゆうさん作の「流浪の月」も読んで面白かったので読むのを楽しみにしていた。

どちらの作品も辛い出来事が多すぎて読むことで明るくなれるような本ではないけれど、私はそういう本が好きなようで。
現実的かファンタジーかを1本、暗いか明るいかを1本の軸にして4象限に今までよんできた小説をマッピングしたら、好きな本は現実的で暗いエリアに集中していた。どうしてこんなに暗い本が好きなのか、今のところ上手く説明できないのだけど、大部分が暗いからこそ小さな幸せのありがたみを強く感じられるからではないかと思っている。
日常生活の中でもちょっとした幸せに気付けて、それを糧に生活していくのが上手になりたいと思っていて、それが好きな小説の雰囲気にも影響しているのかもしれない。

登場人物の考えていることや、行動がとても緻密に描写されている気がする。ここまで人格設定を詳細に設定できるのってすごい。すごく共感できる部分があって身近にいそうなのに、激動の人生を歩んでいるから読んでて飽きないし面白い。

続編の「星を編む」も面白かった。

夜明けのすべて/瀬尾まいこ

こちらは私の好きな上白石萌音ちゃんが2月に実写映画に出演するということ、以前読んだ瀬尾まいこさん作の「そして、バトンは渡された」が面白かったので読もうと即決した小説。

重度のPMSやパニック障害を抱えながら生きる登場人物たちの、ただ生きるのが辛い、という部分だけではなくて、上手くいくことばかりではないけれど彼らなりに工夫して生きていこうとしているところに元気をもらえた。楽しい出来事ばかりの小説では決してないのに、読んだ後には何故か頑張ろうと前向きな気持ちになれる。
私の性格上、楽しいことばかりだと僻みのような気持ちが芽生えて読んで疲れてしまうので、多少の暗さが必要なのだろう。。。あんまりそういう小説を読んだことがないから想像に過ぎないけれど。

終わり方も全てが好転してめでたしめでたし、という感じではないところも個人的には好き。そんな上手くいくわけないやろ、と思ってしまうから。こういうリアリティも好きな小説に共通してるなぁと思う。

きまぐれな夜食カフェ マカン・マラン みたび/古内一絵

装丁の可愛さも含めて以前から気になっていたマカン・マランシリーズ。図書館ですぐに取り寄せできたシリーズ3作目から読んでみた。

今年のベストカフェにて

不定期にやってくる食べ物本読みたい期に読んだ小説の中で1番好きだった。体に優しい夜食を提供するカフェ「マカン・マラン」店主のセリフが勉強になるところも面白くて。

不定期開催、食べ物本読みたい期

「マカン・マラン」を通じて知り合った年齢・性別バラバラの登場人物たちが仲良くなっていて、こういうのっていいなぁと思った。年上の友人、みたいな人がいるのって憧れる。

番外編:なぜ本を読むのか

2023年は71冊の本を読みました。
私にとって本を読む理由は何か、時々考えていることを書き残しておきたいと思ったので現時点の見解を。

①本を読むのが好き

本当はこれ一本でいきたい。
小学校1年生のとき、1年間に図書館で100冊の本を借りるぐらいにはインドアかつ本好きではある。だけど、「本が好き」という気持ちだけで本を読み続けられるほど本好きであるとは言い難いと自覚している。

②「本を読まないと成功しない説」を信じている

昔読んだ本何冊かに書いてあったこの説。
打算的な考えで本を読むのってどうなんだろう、とも思うけど、この考えを信じているからこそ読書を習慣化したいと思っていて、今年はそれができた。基本自分に自信が無いので、こういう説を信じて本を読むことで自分の武器を増やしている。今のところ本を読まない友人の方が人生楽しそうだったり上手くいってるように見えることもあるけど。

③仕事で成果を出していない分の埋め合わせ

今年1年、あまり仕事を与えてもらえず、自分で仕事を見つけることもできず、仕事面で頑張ったと思えることがない日々を過ごしていた。毎日7時間、研修動画を観るぐらいしかすることがない日も少なくなかった。今日も何の価値も生み出さず、誰の役にも立てず終わったと思いながら退勤する。
毎日毎日をこんなに無為にしていいのかという焦りを少しでも紛らわせるために、退勤後や通勤時間は本を読もうと思ったりする。読書は自分にとって成功するための必須条件だと信じているから。

いつかはただの本好きになりたい

革製のブックカバーお気に入り

今は7割くらいは打算的な考えで本を読んでいる。本読んでる自分えらい、って思うことで自己肯定感を上げる活動。でもいつかは「読書が趣味だ」と言い張れたり、「ただ本が好きだから本を読む」って言いたい。少しずつでいいから理想に近づいていく。

本屋さんの絵本コーナーで直感的にいいな、と思える本を買ったり
自信を持って自分の好きな本を人にプレゼントしたり
面白かった本を自分の言葉を使って人に面白いと思ってもらえるようになりたい。(以上、私の中の真の本好きさんのイメージでした。)

来年もたくさんの面白い本と出会えますよう!!

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