【日記】小説・25歳の夏風邪・映画

久しぶりに小説を読んでいる。
村上春樹の「騎士団長殺し」という本だ。
僕が大学1年生の時に発売された本で、当時アルバイトをしていた飲食店の仲の良かった男の子から誕生日プレゼントとしてハードカバー版をもらったのだが、実家に置いてきてしまった。
この間これまた久しぶりに本屋に足を運んだ際に見つけて、読破していなかったことを思い出し、文庫版を買いそろえたという運びだ。

やはり小説はいい、規則正しく並んだ文字を目で追っている間は他のどうでもいいことを忘れられる。
音楽でも流しながらその世界に没頭するということは、ただそれだけで精神を休ませることができる。

とはいえ、特にこれといって今日は命題を思いついたわけではない。
久しぶりに春樹ワールドを感じてどことなく自分もとりとめのないことを書きたくなったに過ぎない。

もう25歳になってしまった。
そろそろ体でも鍛え始めたほうがいいのかな、と少しだけ風呂に入る前に筋トレを始めた。
空手や拳法をやっていた時には日常的にやっていたことだったが、久しぶりにやるとほとんど全くできなくなっていて衰えに直面させられた。

衰えというと、最近夏風邪をこじらせてしまった。
最初は扁桃腺の痛みに始まり、鼻水が止まらなくなり、しまいにゃ高熱が出る始末だ。
昔は風邪を引いても次の晩には治っていたのに、ここまで長引くのは歳を取ったと考えざるを得なかった。

食生活は相変わらず終わっている。
最近食べた野菜はラーメンの上のほうれん草とネギ、それ以前のものは覚えていない。
炭水化物とタンパク質だけで生命活動を維持している。

梅雨も大詰めを迎え、もう夏が始まってしまう。
夏は好きになれない。
もともと活動的な人間ではないし、それ以上に僕は非常に汗かきだ。
外に出ることも億劫になってしまう。
もともと青白い肌をしているから、日焼けして少しだけ健康的な色味になること以外、夏のいいところを何一つ見つけることができない。
まだビールを好きでいたら、外で飲むのも楽しみになっていたかもしれないが、冷えた部屋でコーラでも飲む方が断然良い。
夏の嫌なところを挙げ始めたらキリがない。
うだるような憂鬱が今年も来てしまう。

小説の話に戻ると、久々過ぎて忘れていたが僕にとっての小説というのは心の代謝に近い。
近頃のどんよりした気持ちはなにも気候のせいだけではなかったようだ。
まとわりついた乾いた泥のようなものがページをめくるごとにぺりぺりと剥がれ落ちていく音が聞こえるようだ。
全部で4巻ある『騎士団長殺し』の1巻を読み終えたタイミングでここまで晴れやかな気持ちになるのだから、全て読み終えたころにはどうなってしまっているのだろう。

そういえば、最近また新しい音楽を探せるようになってきた。
もうライブラリの曲を深く掘って、一日中同じアルバムを聞くのには正直辟易していたし、知らない旋律に体が揺れる楽しさを思い出せたのは本当にうれしいことだ。

キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』『博士の異常な愛情』とタランティーノの『パルプフィクション』を見た。
キューブリックを見たのは『シャイニング』以来だったが、やはりこの人の演出はいい意味での気持ち悪さを覚えてしまう。
特に時計仕掛けのオレンジはストーリー自体はとても陳腐なものだ。
不良行為に明け暮れる少年が、政府が新しく取り入れた更生プログラムを受けて脳の構造を少しだけ変えられて社会に放り出されるというもので、これといって心打たれる筋書きではなかった。
しかし、作中で用いられていた人工言語と奇妙な演出を合わせて映像として見ると、一気におどろおどろしさが増してとても面白くみることができた。

パルプフィクションは頭を空っぽにして見られる大衆映画という感じだが、キューブリックのあとに見るにはちょうどいい。
当時の映画というのはどこかでドラッグ描写を入れなければならないのかというほどチープな演出だったが、そのチープさが逆に趣を感じさせるいい映画だった。
ヴィンセントはマジモンのバカ。

そろそろ風呂が溜まるので今日はこのぐらいにしておこうと思う。
こんななんの中身も無い日記に付き合ってくれた人がもしいるのならありがとう。
またこんど。

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