カプチーノ

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夜宴

夜の帳が下りる頃 天の川のように続くヘッドライトの群れ その中を流れ星がひとつ、ふたつ 家に帰る……ただそれだけのために、男たちは何を賭ける 人々はその煌めきを、"青梅街道ツーリスト・トロフィー"と呼んだ______ その夜も、車やバスをいなしてから、井草八幡前で信号待ちをした。 何事もなく、誰とも出会うことなく、一人で帰る。ツーリスト・トロフィーは、そうそういつも開催しているわけではない。 ただの帰宅がいつもの帰宅。 "宴"は、日常があるからこそ、美しく輝くので

    • 有彩色の人生

      今日は一段と寒い。 冬かと見まごうような気温に、パラパラと雨が降り、さながらロンドンの冬景色といったところか。 私は昨日発電機(オルタネータ)の修理を終えたばかりの愛車アスカで、いつもの道を職場に向かっていた。 プス…プス…と"ぐずる"調子の悪い燃料ポンプをアクセル半開きで起こしながら、青梅街道から荻窪病院を抜ける。 そうして有賀園ゴルフの前を左に折れると、そこはもう環八井荻トンネルである。 井荻トンネルと、そこに接続する練馬トンネルといえば、一般車のドラッグ・レース