映画「JOKER」観ました(今更)
ずっと観たかった「JOKER」をみてきました。
最近観た映画の中で1番衝撃を受けたので、感想を書こうと思います。
ちがうだろ!という意見もあるとは思いますが、温かい目でご覧ください。
ネタバレ要素もありますので、ご了承ください。
主人公アーサーという男
主人公であり、のちのJOKERとなるアーサーは
・母の介護をしながらコメディアンを目指すおじさん
・ストレスを感じると笑ってしまう心(脳?)の病
・ピエロの派遣で働いている
という設定で物語が進んでいきます。
閉店セールを盛り上げるために派遣され、スラムの子どもたちにいたずらを仕掛けられるところからこのストーリーは始まります。
とにかくかわいそう(Unlucky)
作品を見ていると、このアーサーという男にどんどん同情していくのが分かりました。
「子どもたちに看板を盗まれてフルボッコ」
「護身用にと同僚に渡された拳銃がきっかけでクビ」
「病がきっかけで証券マン3人に目を付けられ、結果的に殺害してしまう」
「母との血縁関係がなかったうえに、幼少時虐待されていた」
「彼女だと思っていたが、それは母と同じ妄想性人格障害だった」
「コメディアンとしてのアーサーを、尊敬するコメディアンが嘲笑い、自身の番組に呼んだ」
などなど...
これだけの出来事がそろえば、「JOKERは実はかわいそうなやつで、恵まれていなかったんだ」と思うに十分なはずです。
「周りの人間は僕を奇異の目で見て、普通にしていろ!というんだ」
アーサーの作品中の言葉です。
認められ始める(Lucky)
そんなアーサーですが、彼の生活の流れが少しずつ変わってきます。
・同僚や、福祉課の職員など、理解しようとしてくれる人がいた。
・そのピストルで証券マン3人を殺害したことで、ピエロがブームになる
・バーでのネタの映像が流れ、テレビ出演が決まる(この時は喜んでいた)
彼の人生を大きく変えたのは2番目かなと思います。
人間には誰しも「承認欲求」があり、その欲求が地下鉄の事件後に満たされ始めます。
残りの二つは、物語が進んでいくにつれていなくなったり、裏があったりなどで消えていきます。
「理解できないよ」という言葉
JOKERとしてパトカーの上に立ち上がったとき、僕自身の顔にもピエロの化粧をしたいと思った。
それほどまでにJOKERに魅了され、「これは彼なりの正義なんだ。」という思いが頭にあった。
場面が変わり、カウンセリングのシーンになる。
JOKERが笑ってからのやりとりです。
カ「何が面白いの?」
J 「新しいジョークを思いついた」
カ「聞かせてくれる?」
J 「君には理解できないさ」
JOKERという男にすっかり魅了された僕は、「どんなジョークがくるんだ」
と、ワクワクしていましたが、JOKERの「理解できないさ」という言葉で現実に戻ってきました。
僕は彼を理解できない。
同じ境遇にあるわけでも、同じ病をもっているわけでもない。
ただ底辺からヴィランとして這い上がる姿に歓喜し、「お前の気持ちわかるぞ。頑張れ」と勘違いしていただけでした。
スタッフロールが流れている間の僕は、まさに虚無感に包まれていました。
自分が信じていたもの(映画のストーリーの中で感じた主観)が、
一瞬にして信じられなくなる。
感想を書いている今、少しアーサーの気持ちに近づけたような気がします。
まとめ
「JOKER」という映画に出会えてよかったと思います。
バットマンシリーズは見たことがありませんでしたが、今回の映画をきっかけに見てみようと思います。
僕の中のJOKERが顔を出しませんように。
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