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投資の用語解説 その1

投資を始めたい、あるいは始めたばかりの方にとって、高いハードルなのが
「難しい専門用語」

投資は実践しながら感覚をつかむのも大事と言われますが、iDeCoやNISAの口座を開設するだけでも、普段使わない難解ワードが頻出します。この用語でつまづいてしまってはもったいないですね。
まずはiDeCo、NISAに含まれる投資信託に使われる用語を中心に、理解しづらい用語を漢字編から解説してみたいと思います。

用語解説「漢字編」


投資信託(とうししんたく)

「ファンド」とも言います。私はよくファンドをバケツに例えます。大きなバケツにみんなの資金を集め、まとまった額をファンドマネージャーという投資のプロが厳選した銘柄で運用します。ファンドごとに方針やテーマは開示されているので、そこは選べますが、銘柄選びについては、信じて託すという字の通り、プロにおまかせとなります。出資者にとっては「少額から投資できる(100円からできる証券会社も)」「自分では買えないたくさんの銘柄に分散できる」「リサーチや売買タイミングを図る手間が省ける」ことがメリットになります。反面、次の項にある信託報酬などのコストが発生します。

信託報酬(しんたくほうしゅう)

投資信託を管理・運用してもらうための経費としてかかるコストです。運用に手間のかかるファンドほど高くなり(次回カタカナ編でファンドの種類に関する用語:アクティブ・インデックスについて解説します。)ます。
運用成果のグラフでは、すでに信託報酬は引かれた後の値動きになっているので、銘柄を選ぶ際にはコストだけで比較せずパフォーマンス全体を比較するのがお勧めです。

基準価額(きじゅんかがく)

「きじゅんかかく」と読みがちですが、正しくは「きじゅんかがく
投資信託の時価を指します。始め1万口あたり1万円で設定され、ファンド内の銘柄の価値が上がれば上昇し、下がれば下落します。利息や配当などの主運輸を加え、前項の信託報酬などのコストが引かれた後の額を総口数で割った値になります。分配金を出すタイプのファンドは、その分基準価額が下がるため、銘柄選びの際は分配金を再投資した場合のグラフを参考にします。

目論見書(もくろみしょ)

物々しい名称で、いったい何をもくろんでいるの?と思ってしまいますが、要はファンドの販売者が投資家に対して、このファンドはこんなテーマや方針ですよ、こんな手数料やリスクがありますよ、という情報提供をするための書類です。有価証券を販売する際には交付しなければならないと法令で定められているので、当然のようにこの用語が使われていますが、初めて聞くとちょっとびっくりしすよね。

分別管理(ぶんべつかんり)

投資家から預かった資産と、金融機関の資産を分けて管理することです。
一見当たり前のように聞こえますが、実は他の金融機関の場合、銀行の預金保護の対象は元本1000万円まで、生命保険の補償対象は責任準備金の90%までと制約がある、つまりいざというときは銀行や保険会社の再生のために一部使われてしまう可能性があるのに対し、証券会社や信託銀行、運用会社が破綻した場合は、投資家の資産は(もちろん時価は変動しつつも)すべて投資家に返還されます。

特定口座(とくていこうざ)

証券会社などで株式の取引をする際は、「一般口座」「特定口座」「NISA口座」いずれの口座で行うのかを選択しなければなりません。NISAの非課税額・期間を超えた場合どうするか、というとよほどのことがなければ特定口座がおすすめです。
一般口座を利用すると、自分で1年間(1月から12月まで)の損益計算や確定申告書類の作成、および納税をしなければなりませんがこれが結構煩雑です。
特定口座の場合、証券会社等が投資家に代わって計算した譲渡損益が記載された「特定口座年間取引報告書」をもとに、簡単に確定申告書類の作成ができます。さらに、「源泉徴収あり」を選択した場合は、証券会社などが投資家に代わって納税するため、確定申告をする必要がありません(源泉ありでも必要に応じて確定申告をすることも可能です)。

複利運用(ふくりうんよう)

一定期間(半年、1年など)ごとに利息を元本に組み入れ、その元本に対して利息が計算される方法。利息が利息を産む、長期になるほど効果が高い、いわゆる雪だるま式な増え方になります。

複利の殖え方イメージ

それに対して「単利」は当初の元本を元に利息を計算する方法です。日本の国債の配当は元本に対する金利が基準なので、単利商品になります。
預貯金も複利ですが、利回りが低いのであまりその効果を感じられないかもしれません。反対にリボ払いは借金が複利で増えるものですが、金利が高いので返済総額はかなりのインパクトになります。

分配型(ぶんぱいがた)/再投資型(さいとうしがた)

ファンドには運用収益から定期的(毎月、隔月など)に分配金を出すことを目的としているタイプ「分配型」と、収益は元本に加えてさらに投資にまわす「再投資型」があります。
分配型は自分で取り崩さなくても定期的に受け取れるため、年金生活の足しにするような場合は目的にあっていますが、資産形成中の方が前項の複利効果を最大限に生かすには再投資型が向いています。

評価損益(ひょうかそんえき)

保有資産の購入時の価格と現在の価格の差額のこと。手数料や分配金などを含めた総合的な投資成果を把握するためには、評価損益ではなく次回説明する(予定)「トータルリターン」を用いた方が正確です。

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