機械式駐車場の方針③~「フェイドアウト」の提案

以上のように、機械式駐車場には多くの問題を抱えている。
さらに、多額の更新費を費やした「機械式駐車場」は、最終的に撤去費がかかる上にリセール価値がゼロである。例えば、土地を購入して駐車場にした場合、将来、土地をリセール(再販)すれば購入費の一部が戻ってくる。
このまま「機械式駐車場を更新」すると、巨額な負債だけ残ることになる。つまり、将来的に「機械式駐車場は不良資産化するリスク」が極めて大きい筋悪案件なのだ。

不良資産化問題の対策として、18期では「機械式駐車場のフェイドアウト」を提案している。「フェイドアウト」とは、将来的な廃止を念頭に置き「必要最低限の修繕」を行い延命しながら使用することである。数社から行ったメンテナンス業者のヒアリングで以下のような回答もあった。「1ユニットずつフェイドアウトしている事例がある。1ユニットつぶして、そこから部品を抜き取り使用している駐車場もある。」
耐用が難しくなってきたユニットから廃止し、最終的には地下部分の使用を全て廃止し、平置き化する。将来の不良資産の整理を、早い段階で道筋を立てておくということである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?