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制限は工夫を生む

今どきの音楽の作り方は、基本的に打ち込みで制作されるから、欲しい音を欲しいように入れられるのが当たり前。
しかし、ライブを想定したバンドをやる場合は、そうは行かない。

ということで、今回のお題は、
制限は工夫を生む です。

ここで言う制限とは、もちろんメンバー=入れられる楽器の事。

僕が、今までやった中で、自分の活動を代表できるバンドは二つだけ。

一つは、EGx2、Bs、Drのフュージョンバンド。
もう一つは、アコギ、ナイロンギター、バイオリンのアコースティックインストユニット。

この楽器構成、ポップなインストをやる上でのキーボードがいない。
後述のユニットに関しては、リズム楽器すらいない。

この制限がかかると、当然、曲アレンジは結構考えなければならない。
逆に制限がかかって色々考えたので、自分でも評価できる良いユニットだなと思うわけです。

特にリズム楽器がいないアコースティックインストユニットは、かなりキツく、色々考えました。


そもそも曲というのは、メロディーとハーモニーとリズムのバリエーションを組み合わせることで1曲を飽きさせないで聴かせている。

もちろんソロギターなどは1本で全てを賄うので、相当キツイという事になる。
ライブではしっとりした曲ばかりではなく、アップテンポな曲も必要なわけで、それをやるには、かなり考えなければいけない。


例えばギター二本しかいない場合のアレンジで考えたことは、

1.構成をひねる
J-POPの場合、ABC-ABC-Solo-Cという構成が多いが、この構成はインストでギター二本の場合は飽きが来て厳しい。よくやるのは、ABC-AB(アドリブソロ)-D-BCとか。サビは予定調和で2度同じものを聴かせるようなことはしない。

2.コード進行をひねる
コード進行で借用和音は必須。そもそもオブリなどのフレーズを足せないのだから、コード進行でハッとさせなければつまらない曲になりがち。

3.ブレークやユニゾンなどを上手く使う
ドラムのフィルが使えないのも、実際やってみると分かるけどつらいですよ。普通だったら、ここでフィルが入って区切りを付けて→サビとかやるけど、これが使えない。
そんな時は、ちょっとしたユニゾンを入れてアクセントを出すか、バッキング側だけブレークしてハッとさせるかといったことろ。

4.指弾き、ピック弾きを織り交ぜ、リズムを分かりやすく変える
指弾きというのは、こういった場合とても便利で、コードを弾きながら、ドラムの動きを想像させて、ベースの動きも果たすことが出来る。
こういった制限がかかるアレンジの時は無くてはならない存在。

と、まぁ~これだけの事を制限受けながら考えるので、独自のスキルが付きます。楽器が少なくても聴かせられる曲を作るというのは、曲自体をシンプルなアレンジで作るので、曲自体が濃密な曲を作る訓練になります。

そして、それがオリジナリティーに繋がっていくのだと思います。

音楽だけに限らず、「制限」は工夫を生み「新しいもの」を生む原動力になると思います。


では、また次回。

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