ko-ma / 柳原麻衣
ガラスの小さないきものたち
いつも私のまわりをとんでいる
見えない小さないきもの
虫のような植物のような
小さな頃から心惹かれていた存在や現象
一つ一つの作品は生きていて
透明な森に住んでいる
虫の恩返し
とても小さな頃、もしかしたら一番最初の悲しい記憶は、てんとう虫を踏んづけて大泣きしたことかもしれない。
一人でよく田んぼや原っぱで遊んでいた私。
小さな虫や植物の存在そのものが好きで気になってしまいます。
嵐の後には、林の水たまりへ虫救助に行っていた。
丁寧に乾かすとちゃんと飛べるようになる。実は、今ガラスで虫や自然の世界を作れているのは、虫の恩返しと心の奥で思っています。
炎、光と影
青い炎の中でうねうね熔けていくガラスはまるで生き物のようです。
とてもきれいなオレンジ色。
1400度にも達するという酸素バーナーの炎。細く静かな炎、太く強い炎、様々な炎を作り出します。「この火加減でいいでしょうか」常に炎とガラスと調整しながら制作していきます。
炎から出てリンと固まったガラスを、私は外の苔や石の上にそっと置いてみます。
自然の光と風を浴びて、ガラスのムシはまた生き生きと動き出す‥
そんなふうに妄想しながら、ご褒美の撮影タイム。
ガラスの中に溜まった光、反射する光、通り抜ける光、透明な影。
この複雑な表情が私の作品に命を与えてくれます。
こどもアーティスト
5歳の娘はご飯も寝るのも惜しいというくらいに毎日何枚もお絵かきをしています。
隣で私が落書きを描いているとその絵に娘が新しい絵を描いてくる、
私と娘と共作の瞬間。
私の色鉛筆もいつのまにか娘のものに、それを削ってあげるのが嬉しいのです。娘の夢中な姿、無限に溢れ出る想像力、羨ましい!
いつか娘も何かの作家として松本クラフトに一緒に出店する日を妄想しながら、娘のお絵かきをムフムフと眺めています。