善行を為すことがあたりまえの国
話す人:チョウチョウソーさん(T)
ミャンマーのヤンゴン出身 日本に難民として来日、現在は高田馬場でミャンマーレストラン「ルビー」を経営。NHK海外放送キャスター、在日ミャンマー人支援、大学教授と一緒に学生の社会活動協力、など多方面で活動
聞き手:山下(Y)本noteの管理人
Y:ヤンゴンの街を歩いていると不思議なものが多くありました。これはそのうちの一つで、ボジョーアウンサンマーケット(ヤンゴン最大の衣服や雑貨を中心としたマーケット)で見かけたものです。これは何ですか、なにかのおまじないとかですか。
T:これは稲穂です。雀の餌ですね。雀が飢えないようにお米を食べられるようにマーケットの人が壁に取り付けたんです。
ミャンマー人の基本に、善行を為すという事があります。現世での行いが輪廻転生の来世を決めるという考え方が浸透しているので、人だけでなく動物にも善い行いをするのです。
Y:そうすると街の中で見かけた水を入れた容器もそうなんですか。
これは動物では無くて人間用(笑)
ミャンマーは暑い国だから(12月でも気温30度を超える)歩行者が誰でも水を飲めるように家の前に水飲み場を用意しているんです。
ただこれはかなり大掛かりというか。私たちが子供の頃は家の前にやかんを置いて水を飲んでもらっていました。最近はこういう大掛かりなものも増えてきたようですね。
Y:そういえばキリスト教のカトリック教会の敷地にも水飲み場がありました。神道のようなお参り前の禊というものがないのに水飲み場があったので不思議だったんです。キリスト教にも他者の為の善行という考え方はありますが輪廻転生という考えはありません。良いことを行うということは宗教は違っても当たり前になっているんですね。