no.14「歪」

僕らは誰もが同じように歪に尖っている心をもっていて
その角が付けた傷が裁かれるか面白がられるか処遇の如何は
この世界に位置した場所の関係の偶然に依っていて裁量なんてない
立ち回り方を覚えていくことが生きていくことの全てになっていく

姿は常に今でしかないし
この目は今しか映さない

生まれたときから踏み潰しているし個性を伸ばすから絡んでしまう
存在の苦しみは存在の喜びだ 転がる多面体に死角はなくならない
顔をしかめそうになる誰かの行動を目にする孤独の仕業だ
恐怖を溢れさせて弁別を剥がす 手を取り合わせて争わさせる

姿は常に今でしかないし
この目は今しか映さない

いつかの僕を思い描くとき
僕の心には感情がせいぜい
1つか2つしかありはしない
そんな僕なんてどこにもいやしないのに

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