50歳のノート「どこを切っても安心ラブコメ 「哲仁王后 〜俺がクィーン?!〜」」
韓国時代劇かつラブコメ、もはや定番ジャンルだ。韓国時代劇が好きなので新作をチェックしているが、サブジャンルがラブコメとわかると
「あー、ラブコメかぁ」と内心思って手を出さなかったりする。中だるみして飽きるからだ。
「哲仁王后(チョルインワンフ) 〜俺がクィーン?!〜」は違った。
スキマ時間に細切れで見ても楽しい。
みっちり面白い要素が詰まっている。
大統領官邸でメインシェフを務めるイケメン、ボンファンは一流シェフだ。
彼は女性が大好きでみんなで楽しく過ごすのが好きな陽キャ。
あるきっかけで朝鮮王朝時代の王妃、ソヨンの体で目覚める。
女性になっていること、朝鮮王朝時代にタイムスリップしていることに驚いたボンファンはなんとか元の時代、元の体に帰ろうとする。
面白いのはなんといっても料理シーンだ。
現代ソウルの人気フードを朝鮮王朝時代の材料で工夫し再現してみせる。
政敵だったはずの相手が初めて食べる味に「美味しい!」と感動し、いつのまに味方になっている。
もう一つ盛り上げてくれるのは、王妃が現代ソウルのパリピとして宮中生活を楽しんでいるところだ。
時代劇で宮中と言えば陰謀渦巻く舞台。
けれどこの物語はそんなことおかまいなし。
王妃は王妃の美しい衣装で股を開いて座り「いいかぁ、よく聞け、、」とドヤ顔で俺論を語る。
宮廷を駆け回り、好きなものを作って食べ、女官や護衛武士、料理長たちと一緒にゲームをして大笑いしている。
王妃の部屋からいつも笑い声がしているほどだ。
王様である哲宗(チョルジョン)は突如「奇行」し始めた王妃を策略ではないかと疑っていた。
けれど王妃の破天荒ぶりに振り回されているうちに彼女の存在が大きくなってくる。
見た目は美男美女だが、心は男同士。
愛情でもなく、友情ともちょっと違う、大きい意味で「情」みたいなものが二人の間に育っていく。
それがわかるだけに最終回で涙してしまうのだ。
ラブコメ作品は人気ジャンルで作品数が多い。
けれど人に勧められるものになかなか当たらない。細切れでみたら話のつながりを忘れてしまうほど、何かが薄いのだ。
けれど「哲仁王后」は細切れで見ても満足感がある。
どこを切っても笑いがみっちり詰まっている濃厚コメディだ。
これはおすすめできると思った作品。
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