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【#45】ガリンコ号のように

祈願祭

 今週水曜日のニュースで、流氷砕氷船ガリンコ号の冬季運行を開始するにあたり、紋別で安全祈願祭が行われた報道されていました。こういう祈願祭は、神主さんが神事として執り行うことが多いようですが、もし牧師に依頼がきたらどのようにしようかなあと考えたりしています。そういう話は、今のところありませんが。

 少し前に読んだエッセイによると(青田昌秋「オホーツク流氷祈願祭」)、昭和40年代、オホーツク海を南下して海を埋め尽くす流氷は、漁にとって邪魔な存在で、白い魔物と呼ばれていたそうです。漁具を壊し、コンブを引きちぎり、ウニやホタテを磨り潰す厄介物だったそうです。そこで、神主さんを呼んで「流氷早期退散祈願祭」が行われていたようです。

▲ エッセイが収録されている文春文庫『散歩とカツ丼』

 ところが昭和60年代から流氷が減少するに連れて、漁獲量が減少し続けました。実は、厄介な物と思われていた流氷が、プランクトンを運んでくることが分かったのです。そして流氷を見るために国内外から人々がやって来る観光資源にもなり、流氷は「白い魔物」から「恵みをもたらす存在」という認識に変わったそうです。そこで毎年、神主を呼んで行なっていた祈願祭は、「流氷早期到来祈願祭」に変わり、今に至っているとのこと。かつては流氷が早く退散するようにと祈願していたのに、今は早く到来するようにと祈願されているようです。人間の祈願って、面白いものですね。

ガリンコ号

 私はまだ紋別のガリンコ号に乗ったことがありません。同じ流氷砕氷船である網走のオーロラ号にはあるのですが(参照「流氷を見に行こう」)。オーロラ号とガリンコ号なら、断然ガリンコ号の方がお気に入りです。

 ある時、オホーツク海とオホーツク地方を見渡せる紋別のスカイタワーに行った時、1階に陳列されている売り物の中に、Yさんの作品があることに気づきました!嬉しくなって、幾つも買ってしまいました。特にガリンコ号はお気に入りで、東京のS先生とI先生にもお送りしました。

▲ Yさんの作品

 I先生は、神学生時代の紋別派遣の時に、その年の流氷の南下が早くて、なんとか流氷を見ることができ、1月最後の日曜日にガリンコ号に乗られました。I先生はガリンコ号の上で、「これからいろんなことがあったとしても、流氷を砕いて前進していくガリンコ号のように、困難も悪の要塞も打ち砕いていただき、前に進んでいきたい」と思われたそうです。それを聞いて、「なるほど〜」と思い、さらにガリンコ号が好きになりました。

▲ 2023年度の教会標語ポスター②

 今年の標語のポスターは3種類作りました。その内の1つは、ガリンコ号です。「祈らさる、満たさる、語らさる」ことで、困難を乗り越えて前進させていただきます。さあ、明日は主日礼拝で。紋別でも北見でも、勝利の主を見上げるひと時となりますように。

今日も主の恵みと慈しみが、追いかけてくる1日でありますように。

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