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センターポールアスリートとの出会い㉑ アスリートの価値を高める為にスタートした事

東京オリンピック、パラリンピックの開催が決定し、日本はオリパラムードが高まってきている中、選手たちは直近の2016年ブラジルのリオデジャネイロで行われるパラリンピックに向けて日々練習や海外遠征に励んでいました。

オリパラが近づき、パラリンピックの存在や競技自体の認知度は上がってきているもの、私は障がい理解や選手ひとりひとりのメッセージというのは広がっていないのではないかと感じていました。
パラスポーツ界で活躍する選手は大勢いるはずなのですが”競技以外でアピールする場所が少ない”と、感じていた私は、ただ単に”競技力=応援される”ではないという事を確信し次の準備に進もうと決心した時期でもありました。

競技力だけで良いんですか?

当時の私は”アスリートの価値というのは何だろう”と考え、一度頭を整理しました。
優れた競技力や実績を有しているだけで良いのか?
そもそも、起業したときの動機は”優れた競技としての才能や実績を持っている選手は価値であるので支援したい”という気持ちでスタートしました。
アスリートは競技を通じて得た経験や成功体験や、競技力が特価している専門分野のスペシャリストです。

しかしながら、マイナースポーツにおいては競技力だけでは価値にしずらいのが現状です。

では、価値とは何か。対価とは何か。
様々だと思いますが、ここでは対価=お金と定義してみます。

何を行うにしてもサービスを受けたり、物を買う際にはお金という価値の等価交換を行います。

それではスポーツ選手を支援する際、スポンサー(顧客)から金銭もしくはサービス、商品を提供して貰う、お金を支払ってもらう等価交換とは何でしょう。
顧客のスタンスや目的で異なりますが、広告宣伝だった場合、費用に見合った認知度やイメージアップでスポンサー(顧客)を満足させなければいけません。

つまり、例え競技レベルがトップクラスでもスポンサー(顧客)の欲求を満たさなければ、価値を提供とはなりません。

仮に、応援してもらうことになっても、パワーバランスが対等ではなく、”応援してもらっている”という状態になります。

確かに応援してくれる方あっての競技環境の充実ですが、起業してからこの関係で嫌気が差すことが結構ありました。
行きたくない付き合いの飲み会で理解できないパワハラを受ける度に

「何で、ペコペコ頭下げてスポンサーお願いしなければいけないだよ。もっと対等に関係でいいはずなのに。スポーツ選手が胸を張って活動できる体制にしないといけない。」

そう思っていました。

選手の価値

では、パラスポーツアスリートが還元できる価値とは何だろうと改めて考えました。
というよりは、私は既にセンターポールの選手と一緒に過ごすことで沢山の気づきをセンターポールの選手から得ていたのです。

彼らと出会うまでは、障がいを持つ人のイメージは”なんとなく触れてずらい”や”障害があるから出来ない、社会的弱者”という認識を恥ずかしながら持っていました。
しかし、彼らのマインドや、競技に取り組む姿勢というのは今までの固定概念を破壊するだけのインパクトや情熱を持っている人たちばかりでした。

私はもちろん、競技で結果を残すことで発言権を得られるので、スポーツ世界で結果は重要です。
そして、競技の実力と同じくらいに彼らの想いは重要で、彼らの取り組みやエネルギーを伝える場所が必要だと考えました。
要は競技だけやっていてはダメなのです。

そして、関わっている選手たちの価値は競技力だけではなく、スポーツや障がいに対して向き合ってきた経験は彼らにしか発信できません。
これから障害の有無に関わらず活躍できる共生社会を実現するために、パラアスリートの姿が障がいを持つ人にも一歩を踏み出すきっかけを与え、障がいを持たない人には”障がい”に対しての理解を提供出来るという答えに辿り着きました。
学びと気づきの価値です。

価値を伝える手段

では、選手の価値を届けるにはどうしたら良いかを考え、具体的な手段に移すことにしました。
出した答えは講演会と体験会です。

私はどうしても、この二つに拘る理由がありました。
それは特に小学生、中学生は選手との交流で接点を持ち、障がいについて考える機会を持って欲しかったからです。
良くも悪くも幼い時期というのは自分と違うことに拒否反応や、拒絶してしまう事も多々あります。
しかし、それは”知らない”ことから来る偏見や差別だと感じていたので、選手が発信することで子供たちに届くメッセージがあると確信していました。

当時センターポールアスリートで講演会を行っていた選手は堀江さん、官野さんの2人だけで他の選手は人前で話すという事は殆どやったことがありませんでした。
しかし、私は彼ら一人一人のエピソードに勇気づけられ、考えるきっかけを貰っていたので、講演会の経験有無は全く問題ないと思っていました。
話すのはテクニックと構成で、私がサポートできます。

問題は体験会です。
以前、官野さんも堀江さんも、同じように呟いていたのが

「俺らは日常的に、競技用の車いすだったり試合しているのでプレーの様子とか面白さ分かるんだけど、講演会参加する人の殆どが競技について知るのが初めてだから講演会だけゃ伝わらないんだよね。
体験会までやらないと迫力や魅力が伝わんないんだよ。


しかし、体験会で使用する用具を揃えるとなると、競技用車いすはバスケットボール用で1台30万円程度です。体験会を行うのであれば最低10台は必要です。
車いすラグビーに至っては1台100万円近くで尚且つ国内での生産はありません。
車いすの準備が必要です。
競技用の車いすを運搬するのに、車両も必要になります。
それも車いすを10台以上積むことが出来る車輌です。

通帳の残高も相変わらず低いままでしたが、このまま同じ事をしていても状況は変わりません。

勝負にでよう。

つづく