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アメリカ赴任のチャンスをつかむには?

私は23歳でアメリカ赴任になりました。その経緯に触れていきます。

学生時代

学生時代は、技術が好きだったので、高専に進学しました。高専は3年間の高校教育と2年間の短大教育の五年間が一貫教育となり、技術をみっちり5年間学び、短大相当の準学士が得られる公立の学校です。卒業生の技術水準の高さが評判で、高専卒業生の求人倍率は平均20倍、つまり二十歳の卒業の段階で一人に対して20社の求人がある、と言われています。

しかし、私が高専入学直後の就職世代は就職氷河期を経験しており、就職に関しては安定志向であり、「安定した会社に入りたい」という強い希望がありました。しかし、学校内では、「技術だけで食っていくのは難しい」とも言われており、入学当初から、「英語ができるエンジニアは強い」という認識を持っていました。幸い高専は、「技術は好きやけど、英語は嫌い」という同級生が多かったので、英語が得意という自負がある自分には、ブルーオーシャンと言える状況でもありました。

就活

就職活動で会社を選ぶに関して、もちろん安定した会社を狙っていましたが、海外に行ける会社という希望ももっており、担任の先生から大阪の無線機メーカを薦められました。ソフトウェア開発職を希望しましたが、海外希望であることが伝わると、二次面接から海外サービスエンジニア職の面接に切り替わりました。技術水準は高い会社であり、入社試験が非常に難しく、一次の筆記試験は0点、一次面接では「アメリカに行きたいです!」と希望は出しましたが、面接官の総務部長からは「あなたはこの会社でやっていけると思いますか?」と尋ねられる始末で、面接からの帰宅途中から完全にあきらめて、もともと狙っていた工作機械メーカに頭を切り替えていましたが、驚くべきことにその晩に通過の電話を受けました。二次のソフトウェアコーディングの実技試験もほぼ0点でしたが、学校推薦と5年間の水球で培った体格および、5月なのに肌が真っ黒に焼けているという説得力により、一社目にして合格することができました。その会社は、一部上場企業で内部留保(現金預金)がとても多く、入社当時、日経企業安定度ランキング5位という安定企業を地で行く会社でした(笑)

新卒ー修理係

その会社では製品開発職が花形であり、サービスエンジニア職はつまり修理係やクレーム係であり、悪く言うと開発でやっていけなくなった人々の掃き溜め部署というのが実際のところでした。一年目の仕事は無線機の修理をするのが毎日の仕事、慣れるのに時間がかかりました。同時に同じ部署のメンバーは無線機の修理に関しては皆経験者であり、なかなか追いつけませんでした。しかし、部署は無線機のアナログ回路の技術者が多く、無線機をPC接続してのデータ読み書き等について、古参のメンバーがやりたがらなかった部分にて私はPCがうまく扱える世代であったため、そのあたりの仕事で頭角を現すことでき、アナログ回路の修理実績も少しずつ上がってきて人並みになりました。

新卒ークレーム係

一年半後より同じ部署内の技術サポートセンター、つまりクレーム係に配属されました。といっても、クレームというクレームは少なく、製品の使い方に関する問い合わせへの対応、ここで聞き上手のスキルを覚えました。クレーマーと言えども、話を真摯に聞いてくれた人に対して罵声を浴びせることはほとんどなく、まあ、稀にはそういう人も居ましたが、電話のシフトが終われば、必ず家に帰れるホワイトな職場でした。

海外出張

この次には、営業さんとともに製品を売り歩いたり、B2Bの営業案件について現地調査をしたり、現地トラブルシューティングを行う部署に移りました。その直後に海外出張での海外現地法人のトレーニングのメイン担当などを任せられ、初のアメリカ出張にてできることを出し切った結果、同行していた上司の方がアメリカ法人の日本人社長に「こいつが次のアメリカ候補です!」と何のエビデンスもなく言ってしまい、外堀を埋める形で最終的に海外現地法人への出向の候補者に選ばれました。

海外出向

海外拠点は、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、スペイン、台湾の五か所があり、オーストラリア、ドイツの可能性も十分ありましたが、当時の出向メンバーが3年を迎える直前であったため、最終的にアメリカに決まり2008年9月にアメリカはシアトルに出向となりました。

きっかけは何だったか

日系企業から海外勤務を目指すためのきっかけをおさらいすると、
 ●学生時代から、週一回の英会話学校に欠かさず行っていた
 ●学生時代から海外を目指していた
 ●海外拠点を持っている会社に入社できた
 ●面接で海外希望アピールし、海外出張前提の部署に配属された
 ●国内で通用する基礎技術を身に着けた
 ●英語力・技術力を生かし、海外出張を成功させた
このようなポイントを抑えると、海外勤務のチャンスを得られるチャンスが増えるのではないかと思います。



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