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妄想レビュー 映画 『フンドシソファオの子守唄』  ~ ゆるキャラなんてユルくない ~

(ストーリー)
肉襦袢にフンドシをして暮らす主人公は、街の嫌われ者だった。そんな主人公はある日眠っているうちにソファと一体化してしまう。街の人気者になっていく主人公。全国のゆるキャラを次々と亡き者にしていく謎のビジネスマンに戦いを挑むことになる。

 しつこいと思われるかもしれないが今回もマーサ・ツーボイの監督作品を紹介する。もう中毒なのだから仕方が無い。

 今回も謎の配役と、安定のダンボール背景の中で、新たな物語が紡がれていく。前回までの作品と違うのは、出演者の多さである。今までの作品では多くても3人くらいだったと思うが、今回は10人近くはいるであろうか。これは一体どういうことだろう。もしかして彼の映画が人気が出てしまったのではないかと不安になる(複雑なファン心理だ)。

 映画の内容だが、自身のコンプレックスから肉襦袢(にくじゅばん)にフンドシをして暮らしていた主人公が、家の一人掛けソファでうたた寝をしているうちに、そのソファと一体化してしまうところから始まる。一体化した姿はいわゆる『ゆるキャラ』である。

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 実際、映画の中でも彼はゆるキャラとして街の人気者になっていく。いつしか『フンドシソファオ』と呼ばれるようになった主人公。今まで子どもからも疎まれ、大人からはあからさまな侮蔑を受けていた主人公の心の傷が癒えていく過程が丁寧に描かれている。このあたりのせつなさが愛に変化する細やかな気持ちを、ダンボール背景の色味で表現していると思われる(深読みもファン心理の一つである)。

 ストーリーは、謎のビジネスマンが現れて、ゆるキャラの中の人が暴かれていく事件が各地で起きて、新たな展開を迎える。

 登場するゆるキャラはさまざまなのだが、どのキャラクターもどこかで見た何かに似ていて、つい訴えられてしまわないか心配になってしまう。正体を明かされる人々(ゆるキャラの中の人)の姿も悲喜こもごもである。会社の役員、高校教師、弁護士、バレリーナ、単に顔がゆるキャラぽい人もいる。

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 そして、ついに主人公の住む街に謎のビジネスマンがやってくる。なぜか相撲の土俵で、謎のビジネスマンと対峙する主人公。激しい攻防(ののしり合いや譲り合い)の中、驚愕の事実が判明する。ビジネスマンの背中にはチャックがあったのだ。彼の正体は? 

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 もちろん、そこは実際に作品をご覧になって、確認していただきたい。言うまでもなくこの作品が公開されたときにはであるが(マーサ・ツーボイの監督作品はいまだひとつも一般公開されていない)。

監督 マーサ・ツーボイ 
出演 レオン・ツーボイ、ラオン・ツーボイ、リオン・ツーボイ、ルオン・ツーボイほか
撮影 セルフィー・ツーボイ
VFX ヨッシー・ツーボイ
衣装 ラカミー・ツーボイ
2017年 日本 99分
※妄想レビュー:
この世に存在しない様々なコンテンツを完全な妄想でレビューしています。

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