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チューのジョー

 ぼくはチューのジョー。
 最近よく「ジョーってマスオに似てるよね」って言われる。
 マスオって言うのは有名人の三木マスオのこと。
 デズネ楽園っていうところのキャラクターをやってから、三木マスオは世界的な有名人になった。愛くるしいキャラクターを演じきっているそのマスオにぼくは似てるらしい。
 別にそんなこと気にもしてなかったけど、
「お前、マスオの真似してるだろ」って言われたり、
「人気にあやかろうなんて、ジョーってかっこ悪い」
なんて言われたりすることが増えて、無視するわけにもいかなくなった。
 だって、ぼくはもともとこんな感じだ。モノマネしようなんて思っていない。一回だけサインをせがまれて適当に書いたことはあったけど。
 見た目だけで(ひょっとしたら、ファッションも)勝手に判断されるってイヤだなあ。そんなとき本当のぼくを知ってほしいって思うけど、本当のぼくって何だろうか。
 考えてみれば、見た目も間違いなくぼくの一部だ。
 マスオに似てるってことで良いこともある。それが知り合うきっかけで、ぼくを深く知ってもらえる入り口になってくれるなら、それはやっぱりとても良いことだ。
 うん、これからは三木マスオのファンががっかりしないように笑顔でサインしてあげよう。

※年賀状に書いている、干支をテーマにしたミニミニ小説です。
今回はネズミがテーマです。三木マスオというキャラクターは気に入っていて、
なにか別のストーリーを書いてみたいなと思っています(少し書いてたかも)。

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