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最新の香港音楽シーン~叱咤樂壇流行榜を例に~

加筆修正12/11

いまこちらのサイトで、投票が行われていますのでカントポップを追っている人はこの先も読んでみてください。現状のランキングを見た感想をお話ししてます。曲だけ聞きたいという方は、はじめの方に曲のリンクを載せてますのでそちらからどうぞ。

2021年、香港のネットでまた「樂壇已死」の4文字が話題となった、香港の音楽界は今もなお21世紀に入って迎えた香港音楽界の急激な衰退と同様に壊滅的な状態なのだろうか。今回は、最新の香港音楽シーンの実在に迫るため数々の若者シンガーソングライターに焦点を当てた記事になっている。


最近作ったプレイリスト

広東語曲好きになってくれる人が増えることを願ってあまり公開したくないけど、公開します。

ついでに、昔の好きな曲もPOします


我最喜愛的歌曲

Boss - MIRROR
Ciao - RubberBand
Dear My Friend, - 姜濤
DWBF - 陳卓賢
E先生 連環不幸事件 - 呂爵安
Megahit - 盧瀚霆
Warrior - MIRROR
三個字 - 江𤒹生
狂人日記 - 柳應廷
我們不Chok - ERROR
系咁先啦 - MC $oHo & KidNey
俏郎君 - 張敬軒
神奇的糊塗魔藥 - 林家謙
留下來的人 - C AllStar
記憶棉 - MC 張天賦

最後 10 強
記憶棉やっぱり上がってきましたね、係咁先啦にも5位以内入ることを期待
BOSS MIRROR
Dear My Friend, 姜濤
DWBF 陳卓賢
E先生 連環不幸事件 呂爵安
Megahit 盧瀚霆
狂人日記 柳應廷
係咁先啦 MC $oho / KidNey Featuring : Kayan9896
俏郎君 張敬軒
留下來的人 C AllStar
記憶棉 MC張天賦

第一階段投票:叱咤樂壇我最喜愛的男歌手最後5強

呂爵安
姜濤
陳卓賢
張敬軒
盧瀚霆

第一階段投票:叱咤樂壇我最喜愛的女歌手最後5強

Serrini
方皓玟
陳凱詠
陳蕾
鄭欣宜

第一階段投票:叱咤樂壇我最喜愛的組合最後5強

C AllStar
Dear Jane
ERROR
MC $oho & KidNey
MIRROR

近年のランキングから見る香港の音楽シーン

写真はWikipediaより、期間は上から2018-2021年(https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B1%E5%92%A4%E6%A8%82%E5%A3%87%E6%B5%81%E8%A1%8C%E6%A6%9C)

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男性:ついにベテランの牙城を破る。来年にはMIRRORの他メンバーか全民造星II(一期後輩)のMike曾比特やMC 張天賦が食い込んできそうな予感。とにかく、市場の活性化を受けてMIRRORにかかわるすべての人が一気に注目が集まる年になったのではないかなと思います。林家謙はいつになったら食い込めるのか、これだけ活躍しているのに。

こんな面白いインタビューも(笑)

以一敵四對MIRROR 張敬軒︰
ベテランだからといって一曲一曲誠心誠意取り組まなければ若者の波に巻き込まれ新陳代謝の老廃物側になってしまうといった謙虚な回答、そして香港音楽シーンのレベルを押し上げたMIRRORに対し尊敬の意を伝えています。女性側のランキングもかなりレベルが高いですが、男性アーティストも5強に入るのは苦難の道ですね。その中でトップで君臨し続けられる彼は素晴らしい。

女性:まだまだベテラン勢、中堅の勢いが強い印象、特に中堅に位置する歌手も新たな曲調を取り入れ始めたりと若者の勢いをそのまま利用しているのではと感じます、それほど強者ぞろい。「陳凱詠Jace Chan」「陳蕾」はよくここに食い込めたなと。

グループ:ほどんど変動なし、ただ最近新人の勢いがすごいので今後入れ替わるかもしれない。五月天が頂上に君臨し続けてるイメージでとらえていいかも。DEARJANE、CALLSTARはそんな存在ですね。

MIRROR、ERRORが圧倒的人気

2021年度人気曲ベスト10に半分以上の8曲(8/15)入選しており、グループの二曲に加え、6人のメンバーがそれぞれ入っている。これはMIRRORの各メンバーの多様性が認められた結果だろう。

MIRRORに関しては、こちらで簡単にまとめてあるのでこちらを参考してもらえればうれしい。彼らの今年の活躍に関しては、二点注目しておきたい。

→新人アーティストの発掘

 MIRRORに注目が集まることによって彼らにかかわった人物も注目を浴びることとなった。彼らは3年目にしてすでにカントポップシーンを先導する存在になりつつある。例えば、新たに人気になったシンガーソングライターに「Gareth.T 湯令山」がいます、彼はMirrorメンバーの姜濤に「Master Class」を提供したことで認知度が高まった。ちなみに彼はほかにも、Tyson Yoshi(Something)、BakerieのメンバーTommy Grooves(I Don’t Wanna Go)、葉巧琳 Mischa(Kiss Me More)、そしてMC張天賦とのコラボ、などがあり、その活躍が認められてる。

Master Class」に関しては、彼自身がCHILL CLUBで英語版を披露しています。個人的には、ラブソング系を得意とする歌手よりも、陳卓賢(Ian)などR&Bを得意とする歌手と絡んでほしいなと思っています。

→様々な分野との合作

  各メンバーが独立していてそれぞれの良さがあり、チームとして集まったときに無限の可能性があるというグループ名を見事に体現し大成功したグループで、ソロ活動においては、それぞれ得意とする分野のアーティストとコラボし香港市場を活性化してきた。「香港音楽は死んだ」と言われ大陸市場に飲み込まれつつあった香港において、すでに十分すぎるほどの成功をおさめ、存続に関しても全くの問題がない状態にある。しかし、これまでの合作は大体が香港内でのことであり、グローバルな活動はまだ少なかったように感じる。香港発・初の男性アイドルグループとして広東語を重視するのは当然なのだが、グローバルな展開を考えると(すでに姜濤 Keung Toはアジアの星なんて呼ばれてたりする)英語曲・普通語曲が少なかったのではないだろうか。

  今年を代表する合作はおそらく呂爵安Edanと台湾の「邱鋒澤」とのコラボだろう。台湾ではすでにメンバーの誕生日イベントで莫大な資金が動いたりと受け入れられやすい環境が整っており、今回のコラボは台湾ファンの期待に応えた作品であったのではないだろうか。これからも、Gareth.T 湯令山や他国の歌手(英語)、台湾歌手(普通語)などとコラボしてさらに人気になってほしい。

呂爵安,邱鋒澤《一表人才》、《年青有為

香港初の女性アイドルグループも誕生?

 MIRRORの活躍の裏で気になるのは、ViuTVの公開オーディション番組「全民造星」で今回は女性のオーディションを行っている点。まだまだ大陸の潤沢な資金にはかなわないなと見ていて思うものの、素晴らしい人材が集まっています。MIRRORで成功したので、女性アイドルグループも楽しみです。

 男性人気アーティストベスト5に関しては、MIRRORメンバーが総なめしてしまうほど人気なことを考えると、仮に女性版グループが誕生した暁には、いつか女性人気アーティストのランキング総入れ替えもあり得るのかもしれませんね。

 女性歌手には「陳凱詠Jace Chan」のように、MIRROR誕生に携わったような歌えて踊れる最強女性歌手もいますし、香港の超一流大学で文学系の修士号および哲学系の博士号を取得したシンガーソングライター「Serrini」、香港で人気絶頂の「陳蕾」などを皮切りに、多くのベテラン歌手(AGA、Gin Lee、Serrini、方皓玟、衛蘭、鄭欣宜、林欣彤、林二汶、謝安琪、鄭秀文など)がたくさんいます。彼女たちが仮に華々しくデビューできたとしてすぐにトップを取るのはとても厳しいはず、MIRRORもランキングの半分を占めるのに3年かかってます。

 MIRRORのように社会的現象を巻き起こすには、女性アイドルの誕生→ベテランとの合作と新人発掘による業界の活性といった流れが欠かせないのはこれまでにお話したサクセスストーリーの一例ですので、こういった流れには期待したいですね。

 女性アーティスト、グループのランキングに関してはこれまでとそこまで変わりはないので詳しい分析は割愛します。MC $oho & KidNey、陳凱詠Jace Chan、陳蕾は割と最近人気なので押さえておいた方がいいと思います。

 AGA、林二汶、許廷鏗、馮允謙、林家謙、MC張天賦、周國賢、ToNickあたりは、去年の成績を考えると今回の結果には驚きが隠せません、特に馮允謙、林家謙、MC張天賦の3人はMIRROR人気に押されてしまったか・・・・絶対入ると思ってたんですけどアイドルのファンが強すぎるんでしょうね。

ランキングに入った曲(歌詞+発音リンク)

Boss - MIRROR

Ciao - RubberBand

Dear My Friend, - 姜濤

DWBF - 陳卓賢

E先生 連環不幸事件 - 呂爵安

Megahit - 盧瀚霆

Warrior - MIRROR

三個字 - 江𤒹生

狂人日記 - 柳應廷

我們不Chok - ERROR

系咁先啦 - MC $oHo & KidNey

俏郎君 - 張敬軒

神奇的糊塗魔藥 - 林家謙

留下來的人 - C AllStar


ランキングに入っても良さそうな曲取り上げます

独自のランキングになりわけですがちょっと特殊な条件で選びます、それと別に私は音楽に詳しいわけではありませんその点はお許しを。

・香港の音楽シーンの更なる発展に貢献するためなるべく新人取り上げます
・MIRROR・ERRORは少なめ(彼らは殿堂入りでいいですよね)
・最新曲も入れます、期間少し前後します

記憶棉 - MC 張天賦

この曲が一番だと予想してましたが、大きく外れてしましました、あれれ。公開時期がほかに比べて遅かったというのが大きな要因だと思いますが、それにしてもぎりぎりランクインですか。これからの伸びに期待したいんだけどどうでしょうね。How Many Times/反對無效もおすすめ


陳凱詠Jace Chan《收聲多謝

 こちら要注目!前述の通り女性アイドルの一番のライバル、偉大過ぎる先輩として間違いなく立ちふさがる陳凱詠。曲、ダンス、歌唱力、表情管理すべてにおいて完璧ですね。MIRRORとのかかわりも番組の頃からありますし、現状最強の女性歌手と言えると思います。なんでこの曲ランクインしなかったんでしょうね。

 合わせて林家謙 Terence LamとDuetをした隔離もお勧めします。

Mike曾比特《我不如》

かつては、全民造星IIでMC 張天賦としのぎを削った実力派歌手。最近でいうと、Chill Clubでデュエットを披露し注目を集めています。

陳凱詠Jace Chan《我不是邱比特
Gin Lee 李幸倪《手望(守望版)
林欣彤 Mag Lam《不如憎你
MC 張天賦《我好想你》など

日本のバンド「10-FEET」の「その向こうへ」をカバーした《奔跑吧! 》なんかもあります。日香合作にも期待したいです。

Gareth.T湯令山《勁浪漫 超溫馨

前述の通り、人気急上昇中の彼。たぶん広東語曲をもっと早くリリースしておけばノミネートされてた気もします。

林家謙 Terence Lam《一人之境

数々の賞を受賞し香港を代表するシンガーソングライターとして認められてきつつあった彼が男性のランキングから漏れるとは思いもしませんでした

姜濤 Keung To x FatBoy《特務肥姜2.0

久しぶりの組み合わせによるいきぴったしのこの曲こそノミネートされるかな、とひそかに予想してましたがことごとく外れますね。3周年記念で披露したMIRROR《One and All》も載ってなかったので一応補足。

江生/楊樂文《虎道門

MIRRORでもう一つ確実だろうと疑いもしなかったのは本作、Nowhere boysとのコラボも話題性抜群で盛り上がったのに。この曲は、この前作成したバッチバッチ重低音C-POPリストにも入れてありお気に入りなだけに残念。楊樂文はデビュー前のランキングも低かったり、当初は注目されてなかったメンバーの一人ですが、おそらくベスト5に一番近いところまで来たのではないかなと思います。

P1X3L《Just Lean On Me

MIRRORと同等の評価を受けても良さそうな彼らだが

Zpecial《年少輕狂

張蔓姿Gigi《深夜浪漫Midnight Romance

陳蕾Panther Chan《沙門 Śramaṇa

私の同級生の友達(めっちゃ遠い)いわく彼女のチケットはすぐ売れきれるほど人気らしい。大陸の番組で活躍した過去もありますが、ついに大ヒット

Gin Lee 李幸倪 -《IDK》

新人に負けじと中堅歌手が本気出してきましたね。陳蕾Panther Chan《沙門 Śramaṇa》とも曲風が似ている気がします。

Nowhere Boys《無處遊人

Serrini 《我在流浮山滴眼水.jpg》

per se《孤獨之塔

Serriniを取り上げたからには、まあいいかなと思ってたのですがコメントいただいたので追加しました。去年の「粉碎糖果屋」は衝撃的でした、今年も大活躍だったと思います。特に今年リリースした曲に関しては、どこか日本の要素を感じるものが多かったのでは。

Dear Jane《未開始已經結束

鄧小巧《Mean

ONE PROMISE《平凡人的自傳

元名は「Empty」で2019年に改名を行っている、SodaGreenと似たような時期だろうか。兄弟(つまり仲間)同士の大事な約束という意味だそう。

馮允謙Jay Fung《一步一悔過

生まれて間もなくカナダに移住(Edmonton)し、大学卒業して香港に帰ってきたといういかにも香港人らしい経歴を持つ。外国の曲風をカントポップと融合した曲が特徴的。

TYSON YOSHI - That Guy

香港のラッパー、シンガーソングライター。香港で、というよりは台湾のインディーズ界隈で特に話題になっているアーティスト(コロナ期間は台湾でずっと活動していたため)。帰国後は、姜濤、柳應廷、林家謙、Tyson Yoshiの4人でコラボしたりとすぐに人気を取り戻すどころか莫大な人気を獲得。独特なR&B、Hip Hopが特徴的で、香港のメジャー界隈から台港音楽融合の一歩として注目されている。

石山街 Rock Hill Street - 《石山派》

Serriniとの関係もある、二人組のグループ。インスタで出会った二人、たまたま楽器の機材を貸して返すためにあった場所の地名からグループ名をつけたらしい。詳しいことはまた更新したい(無知で申し訳ないです)

洪嘉豪Hung Kaho《窮小子

林家謙と同様、作曲、作詞詞、編曲、監、唱なんでも一人でできてしまう全能系シンガーソングライター。木村拓哉と似ていることから「香港版キムタク」と呼ばれているがそうは思わない。口だけ似ている気もするが

主角光環 Haloもおすすめ

林欣彤Mag Lam《不如憎你 Hatred

My little airport《那陣時不知道

My little airportに関してはお宝のような解説がNoteにはあるので、こちらを強くお勧めします。阿栗さんは他にもカントポップの歴史についてどこにもないような解説を書いてらっしゃいます、必読書です。

KOLOR《無名


そういえば、最近G.E.M.鄧紫棋が広東語の曲を出していましたね、超珍しい・・・・こんな感じでいいから広東語曲もたまに出していただけると、《睡公主》から広東語曲聞き始めた人からすると嬉しい。

兩個你Double You

はい、以上です!!MIRROR以外の分析もしたかったのですが今回は割愛しました、まだ自分自身も及ばないところがあります、もっと詳しくなった際に更新したいと思います。閲覧いただきありがとうございました。

まとめ

  「樂壇已死」なんて言われていますが、作詞作曲家・ラブソング至上主義だった昔の香港とは全く違うことはすでにお伝えした通り(→嫌いというわけではないのは、プレイリスト見てもらえれば理解してもらえるかなと、むしろ昔の香港音楽大好きです)。若者の活躍に伴い、中堅歌手も新たな挑戦をはじめ業界の新陳代謝が進んでいます。また、アイドルの活躍によって香港市場の活性化が進み各分野での交流が増えました、彼らが全体のレベルを押し上げたと評価しても問題ないはずです。さらに近年グローバルな展開も増え始め未来も明るくなってきたのではないでしょうか。きっと香港に住んでいるかたは彼らを応援することで音楽から力をもらい、さらに鼓舞しあっているのではないかなと思います。最近の香港音楽シーンは多種多様な曲が毎日リリースされますし、熱いものを感じるので追っていて非常に楽しいです。数十年にはまっていたが今の世代を知らない方も、一切香港の音楽を知らない方も、この機会に最新のカントポップ聞いてみませんか。

少しでもカントポップ好きが増えることを願って。

樂壇冇死!香港音樂永遠都唔會死!









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