見出し画像

2023年おすすめ新譜アルバムVol. 108: V.A.「Water World 2」

新譜アルバム紹介Vol. 108です。

今回紹介するのは、テキサスのプロデューサーのSoloがリリースしたコンピレーションの「Water World 2」です。

Soloはテキサス出身のプロデューサーです。Sean 'Solo' JemisonやSolobeatsなどの別名義もあります。

1990年代前半に登場。E.S.G.の1994年の名曲「Swangin And Bangin」を手掛け、その後もLil KekeやFat PatなどのScrewed Up Click関連作に参加していきます。2000年代以降も引き続きSUC関連作を中心に活躍。自身名義の作品としては2016年の「Astroworld」、2019年の「Water World」などをリリースしています。

時期によってはThe Neptunes風味やトラップなども作っていますが、基本的にはテキサスマナーのスムースなメロウや哀愁系を得意としているプロデューサーです。

今作はトラップを少し交えつつも、メロウ&スムースな曲が充実したテキサスG好きの方にはたまらない良作に仕上がっています。オヤGの方は是非。


2. Quiet Money Dot & Yung Redd「Time Gone Tell」

大ネタ使いのメロウ曲。

Yung Reddのオートチューンをほんのり使った歌心のあるラップが、手数の多い808が効いた南部Gらしいビートに映えた好曲です。Quiet Money Dotのイナタいヴァースもばっちり。


3. Ice Water Slaughter, JB, Mike B & Ronnetta Spencer「City of Dreams」

Ronnetta Spencerとありますが、出てくるのはRonnie Spencerです。

トークボックスや弾けるようなドラムが印象的なサウンドで、コクのあるラッパー陣とRonnie SpencerのRonald Isley似の歌声が堪能できるテキサスらしい曲です。西海岸ヒップホップ好きの方にもおすすめ。


4. Z-Ro, Ronnetta Spencer & Los Grace「Drank Ain't Gone」

こちらはきちんとRonnetta Spencerが出てきます。

ギターが心地良いUGK系のビートで、Z-Roの歌うようなラップとLos Graceの燻し銀のラップが楽しめる良曲です。Ronnetta Spencerのソウルフルな歌フックも見事。


7. Lil' Flip, Yungstar & Cupid「Forever」

今作のハイライトの一つ。

大ネタ使いのメロウなGファンク路線です。Lil' Flipの華のあるラップとYungstarのイナタいラップ、Cupidのラップっぽい歌の組み合わせが完璧。


9. Lil' O「When They Sleep」

某オクラホマG名曲と同ネタ使いの曲。

こちらはブリブリのベースや手数の多い808を合わせ、見事に現行テキサスマナーに仕上げています。Lil' Oのイナタいラップとも好相性。


10. Spice 1, D-Gotti & Pop Goffney「Schemin」

Soloなりにベイ流儀を意識したような曲。

サックスやエレピを使ったウワモノはテキサスGらしいものですが、跳ねるようなドラムパターンにベイが香ります。コクのある歌フックも印象的。


11. Do Or Die & DEVIOS「Ready」

テキサス流Gファンク。

例の高音シンセやファンキーなベースが光るビートで、濃厚な歌フックと高速ラップが楽しめる佳曲です。チップマンク・ソウルがシカゴ風味を出しています。


13. Big Pokey & Tonka「Let Me Know」

いかにもSoloらしい優しいメロウ路線。

手数の多い808や生っぽく動くベースも心地良いビートに、Big Pokey(R.I.P.)のコクのあるラップとTonkaのソウルフルな歌が乗る良曲です。今作のハイライトの一つ。


14. Street Military & T Dash「Head 2 The Sky」

ゴスペルっぽい匂いもするソウルフルな曲。

美しいピアノや泣きのギターを使ったビートで、力強いラップが映えた好曲です。フックでのコーラスとリードの絡みも美味。


16. Kay K & DJ Red「Slidin」

スクリューDJのDJ Redが手掛けた全編チョップド&スクリュード仕様の曲。

1990年代テキサスG直系のメロウなサウンドの魅力が、スクリューによってまったりと楽しめます。Kay Kのイナタいラップもリラックスした良さ。


18. Mr. 3-2「Do You Want It」

インタールード的な短めの曲。

ソウルフルなネタ使いのビートで、Mr. 3-2のコクのあるラップが堪能できます。短いですが濃い味。


21. D-Gotti, BOSS & Carolyn Rodriguez「All of Mine」

BOSSは恐らくABNのLil Bossです。

手数の多い808と穏やかなシンセを用いたビートに、Carolyn Rodriguezの爽やかな歌フックとハードボイルドなラップが絡む良曲です。「サウサ~イ」だけでニヤリとしてしまう方もいるはず。

ここから先は

0字

¥ 100

購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです