2021年おすすめ新譜アルバムVol. 64: DoggyStyleeee「Flea Checc」
新譜アルバム紹介Vol. 64です。
今回紹介するのは、西海岸のラッパーのDoggyStyleeeeがリリースした「Flea Checc」です。
DoggyStyleeeeは西海岸出身のラッパーです。
10年代半ば頃からシングルの発表などで注目を集め、19年にはアルバム「Into Something, Vol. 1」をリリース。20年にはその続編「Into Something, Vol. 2」、「No Muttz Allowed」など4枚の作品をリリースし、一部のマニアから高い評価を集めます。そのほかシングルの発表や、NhaleやMr. Capone-Eといった西海岸G作品への客演などでも精力的に活動。G好きの間で着々と知名度を拡大している新進ラッパーです。
初期のSnoop DoggとWarren Gを足したような、いかにも西海岸Gらしいラップを聴かせるラッパーです。時折Brotha Lynch Hung周辺に通じる瞬間もあります。サウンド的にもGファンクをベースにしたものが中心で、あまり新譜を聴かないウェッサイ好きの方にもおすすめできる音楽性です。
今作は90年代Death Rowのサウンドをアップデートしたような、コテコテの西海岸Gラップが堪能できる良作に仕上がっています。
タイトルからしてGな匂いが漂う曲。
ジャリジャリとしたギターとブリブリのベースが効いたシリアスなGファンクです。例の高音シンセも聞けます。
冷たいピアノとブリブリのベースを使ったハードなGファンク。
強めのループ感とハイハットの刻み方に、90年代とは異なる現行マナーの美学があります。冷徹なラップもばっちり。
Nate Doggの息子、Nhaleをフィーチャー。
ブリブリのベースにアーシーなオルガンを絡めたビートで、フックではNhaleがNate Dogg直系の歌を聴かせるウェッサイ印の曲です。歌フックですがメロウすぎずハードさをキープ。
穏やかなエレピを用いたメロウなGファンク。
やはりブリブリのベースがウェッサイ気分を高める中、ゆるい鼻歌系フックが心地良く聴ける良曲です。今作のハイライトの一つ。
5. Blue Shoe Laces Feat. Tbeezy1300
ピアノが印象的なシリアス路線。
ここでもベースの音色に西海岸が香ります。ヴァースでは歌心のあるフロウも交えつつ、フックでは仰々しく力強いフロウを聴かせるDoggyStyleeeeのラップが強力。
ミニマルなピアノループとブリブリのベースが効いたバンギン。
DoggyStyleeeeのクールに鬼気迫るラップが素晴らしい好曲です。後半に登場するKokaneのPファンク流儀の歌はいつも通り強烈ですが、主役は飲まれずに負けない存在感を放っています。
10. My Hommies Feat. Tbeezy1300
哀愁漂うシリアスなGファンク。
ピアノやストリングス、例の高音シンセが効いたGセンス濃厚な曲です。DoggyStyleeeeのラップもハードな中にどこか悲しげな雰囲気が漂っています。
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