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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 65: Jam & Lewis「Jam & Lewis, Volume One」

新譜アルバム紹介Vol. 65です。

今回紹介するのは、ミネソタのプロデューサーユニットのJam & Lewisがリリースした「Jam & Lewis, Volume One」です。

ジャケ

Jam & Lewisはミネソタで結成されたプロデューサーユニットで、Jimmy JamとTerry Lewisの二人組です。

古くはFlyte Time、The Timeのメンバーとして活動。プロデューサーとしてもThe S.O.S. BandやAlexander O'Nealなどを手掛け、80年代前半から活躍します。86年にはJanet Jacksonのアルバム「Control」をプロデュースしてさらなる飛躍を遂げ、その後も多くの作品に参加。91年にはレーベルのPerspectiveを立ち上げ、92年には映画「Mo' Money」のサウンドトラックをリリースします。以降もMary J. BligeやTLCなどの作品に参加し、10年代には少しペースは衰えたものの現在に至るまで現役で活動し続けています。

長いキャリアの中で時代の音も多少取り入れつつも、ロマンティックなメロウやファンキー路線といったR&Bマナーを貫いた作風を聴かせます。美しいメロディを書く名メロディメイカーでもあります。

今作はJam & Lewis名義でリリースする初のアルバムで、現行シーンに合わせすぎないメロウでスウィートな曲が詰まったR&Bファン悶絶必至の傑作に仕上がっています。


1. Til I Found You with Sounds of Blackness

Perspective所属のゴスペル/R&B系大所帯グループ、Sounds of Blacknessとの曲。

ポロポロとしたギターとタイトなドラムが効いた落ち着いたサウンドで、ソウルフルなシンガーが次々と登場する好曲です。「R&Bが好きで良かった…」と思わされます。


2. Spinnin Feat. Mary J. Blige

ヒップホップ色の強い力強いドラムを使った曲。

Mary J. Bligeの堂々とした力強い歌いっぷりに、上品なストリングスやピアノが寄り添う名曲の風格漂う曲です。持ち味が噛み合った最高のコラボレーション。


3. The Next Best Day Feat. Boyz II Men

静かなイントロからの音数が増える瞬間に悶絶。

切ないギターやストリングスに808のドラムを合わせた哀愁漂う美曲です。美しい歌の息の合った絡みはヴォーカルグループならではの旨味。


4. Somewhat Loved (There You Go Breakin' My Heart) Feat. Mariah Carey

高速ハイハットに現行の空気も少し感じる曲。

ハープやピアノを使って音数少なめに聴かせるヴァースや、痺れるような重厚なシンセを使って盛り上げるフックなどメリハリが効いた良曲です。例の高音シンセやMariah Careyのホイッスルも聴けます。


5. He Don't Know Nothin' Bout It with Babyface

組み合わせから想像するものそのままな曲。

誠実でスウィートな歌の魅力が暖かいサウンドで堪能できる、両者のファンにはたまらない曲です。アウトロのキーボードも印象的。


8. Do What I Do Feat. Charlie Wilson

トークボックスも使った軽快な曲。

スペイシーなウワモノにチープな808が効いたダンサブル路線です。Charlie Wilsonの暖かくソウルフルな歌声もばっちり。


9. Do It Yourself Feat. Usher

ヘヴィなシンセを使ったPrinceマナーの曲。

ここでのエッジーなシンセの使い方は、少しThe WeekndなどのオルタナティヴR&Bを踏まえたようにも聞こえます。そこに乗るUsherの人選が完璧。


10. Babylove Feat. Morris Day, Jerome & The Roots

The Roots客演ですがBlack Thoughtはラップしていないので、ロマンティックなR&Bにラップが入ってくるのを許さないR&B過激派の方も安心。

研究熱心なThe Rootsのセンスが活きているのか、Jam & Lewisらしさが非常に濃厚な曲です。ズブズブのシンセにねちっこい歌が絡むファンキーな仕上がり。

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