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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 19: KLC The Drum Major「KLC The Drum Major P1」

新譜アルバム紹介Vol. 19です。

今回紹介するのは、ルイジアナのプロデューサーのKLC The Drum Majorがリリースした「KLC The Drum Major P1」です。

ジャケ

KLC The Drum Majorはルイジアナ出身のプロデューサーです。Beats by the Poundのメンバーとしても知れています。

80年代後半から活動。ラップグループの39 Posseのメンバーとして活動し、グループでは91年のEP「Got What It Takes To Make It」や93年のアルバム「39 Automatic」などをリリースします。その後Sporty-TやSoulja Slimなどの作品に参加し、95年にはNo Limitと契約。Beats by the Poundのメンバーとなり、同レーベルの膨大な作品を手掛けていきます。00年頃には同レーベルを脱退しますが、以降もLudacrisの01年のヒット曲「Move Bitch」などをプロデュースし活躍。近年もCurren$yやDee-1などの作品に参加しています。また、まとまった作品は今作が初ですが、04年の「Holla At Me」や06年の「Play It Loud」など自身名義でのシングルもいくつか発表しています。

コテコテのバウンスやファンク路線、哀愁メロウなどを聴かせるルイジアナ流儀のGセンスの持ち主です。No Limit作品の魅力はそのままKLCの魅力と言ってもいいと思います。同じルイジアナを代表するプロデューサーでも、Mannie Freshの凝り方と比べると大味な良さがあります。

今作は以前にリリースしたシングルも収録するなど制作時期が古い曲が多く、時流とは異なる味が出たルイジアナG好きの方にはたまらない快作に仕上がっています。いくつかの曲ではKLC本人も野太い声の荒いラップを披露しています。オヤGの方は是非。


2. I'Ont Hide Feat. Fiend, Mia X & Mr. Serv-On

淡々としたピアノとトコトコ系ドラムが効いたバウンス。

野獣のようなFiendをメインに据え、オフビートで攻めるMr. Serv-Onと大振りなフロウを使うMia Xが絡む良曲です。No Limit印。


3. Play It Loud Feat. Fiend, January Walker & Skull Duggery

06年リリースのシングル。

例の高音シンセとチープなピアノを使った戦闘バウンスです。Fiendの野獣声がここでも抜群の存在感。


4. Holla At Me (Extended Version) Feat. Mystikal, January Walker & B.G.

04年リリースのシングルの別バージョン。

勇壮なホーンが主導するコテコテのバウンスです。MystikalとKLCのパワフルなラップとヌルっとしたJanuary WalkerとB.G.のコントラストが良い佳曲。


6. Break Bread Feat. Soulja Slim & B.G.

アーシーなオルガンやチープなピアノを使ったバウンス。

連打されるタムも印象的なビートで、KLCの荒いラップが技巧派(&曲者)二人と絡む良曲です。地味ですが好き者にはたまらないはず。


8. Soulja Like Me Feat. Mercedes, Fiend & Peaches

No Limit印の哀愁メロウ路線。

もの悲しいピアノとバウンシーなドラムが効いたビートに、男女二人のヘタウマな歌をフックに挟んでGな哀愁ラップを聴かせる好曲です。オヤGの方はソファに泣き崩れ。


9. I Got You Feat. Byou2ful

クレジットはありませんがJanuary Walkerもフィーチャー。

定番ドラムパターンを用いた哀愁ヒップホップソウルです。女性シンガーのByou2fulのソウルフルな歌がメインなので、ソウル好きの方にも響くと思います。後半のサックスソロも美味。


10. Hold It Down Feat. Juvenile, Snoop Dogg & Soulja Slim

Soulja Slimが主導するバウンス。

コリコリとしたギターとブラス、スクラッチが印象的なビートも楽しいです。実力者揃いのマイクリレーは当然のように素晴らしい仕上がり。Soulja Slimのヴァースがベストです。


11. Where Them Hoes At Feat. Daz Dillinger & Soulja Slim

Daz Dillingerがよく似合う大味なバウンスもの。

執拗に鳴るシンプルなシンセのフレーズやストリングスに、KLCなりに西海岸マナーを意識したような味があります。「ヘールイェー!」と被せたくなるフックも強力。


12. Do What I Gotta Do Feat. T Knock

オヤGの方にはたまらない哀愁メロウ路線。

Mr. Serv-Onに少し似たT Knockのラップは無難ですが、クレジットされていない謎の男性シンガーのクールな歌が最高にGです。落ち着いたビートもGセンスたっぷり。


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