2022年おすすめ新譜アルバムVol. 94: Freddie Gibbs「$oul $old $eparately」
新譜アルバム紹介Vol. 94です。
今回紹介するのは、インディアナのラッパーのFreddie Gibbsがリリースした「$oul $old $eparately」です。
Freddie Gibbsはインディアナ出身のラッパーです。
2000年代半ば頃に登場。2004年にはミックステープ「Full Metal Jackit Vol. 1」を発表し、その後も「Big Bizness」シリーズなど多くのミックステープを制作します。「The Miseducation of Freddie Gibbs」と「midwestgangstaboxframecadillacmuzik」の二枚のミックステープを発表した2009年頃から注目を集め始め、2011年にはJeezy率いるCTE Worldに加入(しかし2012年には脱退)。以降も2012年のミックステープ「Baby Face Killa」や2014年のMadlibとのタッグ作「Piñata」など、多くの作品をリリースしています。
低い無骨な声質のスキルフルなラッパーです。2Pacの影響を感じさせるアグレッシヴなフロウや、Bone Thugs-N-Harmony的な詰め込みフロウなど引き出しも多彩。ゆるい歌も聴かせることがあり、Big Melloあたりにも通じるスタイルの持ち主です。トラップやブーンバップ、Gファンクなど幅広いビートに乗りますが、近年はソウルフルなビートを好んで使います。
今作はソウルフル路線を中心にトラップも取り入れた、少し2000年代の南部ヒップホップっぽい匂いがするサウンドの快作に仕上がっています。
1. Couldn't Be Done Feat. Kelly Price
初期Just Blazeが作りそうなソウルフルな曲。
早回しされた歌声や分厚いブラスに手数の多い808を絡めた、ゴスペルっぽい匂いもする曲です。Kelly Priceの堂々とした歌いっぷりにも痺れます。
メロディアスで落ち着いたトラップ路線。
Bone Thugs-N-Harmonyからの影響を感じさせるメロディアスな高速フロウを披露しており、Freddie Gibbsのラップ力の高さに唸らされます。Offsetもメロディアスなラップで好演。
4. Zipper Bagz
KAYTRANADAプロデュース。
ソウルフルなネタ使いにトラップマナーのドラムを合わせたビートで、武骨でいて軽快なラップを聴かせる良曲です。Pimp Cの声ネタも使用。
J.U.S.T.I.C.E. League制作のソウルフルな曲。
ピアノやエレキギターを用いたドラマティックなビートは、まさにJ.U.S.T.I.C.E. League印です。2000年代のRick Rossなどが好きな方は是非。
今作のベストトラック。
DJ Paulが手掛けたメンフィスマナーのソウルフルな哀愁曲です。Kingpin Skinny Pimpの声ネタもサンプリングしており、オヤGの方ならソファに泣き崩れると思います。
11. Dark Hearted
James Blakeプロデュース。
落ち着いたピアノとタイトなドラムが効いた哀愁メロウ路線です。歌心のある詰め込み気味のラップも沁みます。
13. Grandma's Stove Feat. Musiq Soulchild
Musiq Soulchildがフックを歌わない哀愁曲。
寂しげなシンセや抑えめなドラムが沁みるビートで、Freddie Gibbsの力強いGなラップが堪能できる好曲です。後半に登場するMusiq Soulchildの歌も絶妙。
DJ Dahi制作のTDEっぽい曲。
スペイシーなシンセや滑らかなベースが印象的なビートに、二人のブルージーなラップが絡む佳曲です。Freddie Gibbsのアドリブっぽく入れる歌などにどこかコミカルな味も。
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