2022年おすすめ新譜アルバムVol. 114: GloRilla「Anyways, Life’s Great…」
新譜アルバム紹介Vol. 114です。
今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのGloRillaがリリースしたEPの「Anyways, Life’s Great…」です。
GloRillaはメンフィス出身のラッパーです。
2010年代後半に登場。2019年の「Most Likely Up Next」、2020年の「P Status」とミックステープやEPのリリースを重ねていきます。2021年にはHitkiddのEP「Set the Tone」に参加し、今年に入ってから再びタッグを組んで発表したシングル「F.N.F. (Let's Go)」がヒット。その後CMG The Labelに加入し、コンピレーション「Gangsta Art」にも参加するなど勢いを付けてきました。
初期はCity Girlsなどに通じる高めの声でオンビートで楽しそうにラップするスタイルでしたが、徐々に低い発声でオフビート気味のフロウも用いるようになっていきました。サウンド的にはメンフィスらしいトラップやクランク、哀愁路線など。
今作はピアノやストリングスの音が目立つメンフィス印のサウンドで、GloRillaの華のあるラップが堪能できる好作に仕上がっています。
1. No More Love
ATL Jocobが制作に関わった曲。
寂しげなエレピや女声シンガーの歌、生っぽい質感のスネアをトラップマナーで用いた哀愁曲です。独特のタイム感を持つGloRillaのラップもばっちり。
「Gangsta Art」収録曲にCardi Bが加わったリミックス。
いかにもメンフィスっぽいビートで、Cardi Bの元気の良いラップと絡む好曲です。Cardi Bも少しGloRillaっぽいフロウを取り入れています。
4. Unh Unh
ブヨブヨのベースを使ったミシガン風味の曲。
程良く外の空気を入れたようなビートに、GloRillaのパワフルなラップが映えた良曲です。「アー、ア!」というフックがキャッチー。
5. Blessed
なぜかFeat. 表記がありませんがYo Gottiをフィーチャー。
ピアノやミニマルなシンセが効いたトラップビートで、Yo Gottiのしなやかなラップと絡む佳曲です。GloRillaのゴツゴツとしたフロウは猛者に負けない存在感。
6. Get That Money Feat. Niki Pooh
2000年代の南部ヒップホップっぽい匂いがするパーティチューン。
スクラッチや掛け声、Niki Poohの楽しそうなラップが印象的な好曲です。プロデュースにはKia Shine(あの!)の名前もクレジットされています。
8. F.N.F. (Let's Go) with Hitkidd
今作、というか2022年のベストトラックの一つ。
Hitkidd制作のThree 6 Mafia直系のバウンシーなビートで、パワフルなラップを聴かせるクランク路線の曲です。スペルを強調して「レッツゴ~!」という掛け声で盛り上がるフックが強力。
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