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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 116: Larry June & Cardo「The Night Shift」

新譜アルバム紹介Vol. 116です。

今回紹介するのは、ベイのラッパーのLarry JuneとミネソタのプロデューサーのCardoがリリースした「The Night Shift」です。

Larry Juneはベイ出身のラッパーで、Cardoはミネソタ出身のプロデューサーです。

二人のこれまでの活動や音楽性については以前書いたこちらこちらを。二人がタッグを組むのは今作が初ではなく、2020年にはPayroll GiovanniとHBKも交えた「Game Related」、二人での「Cruise USA」の二枚の作品を発表。2021年にも「Into The Late Night」をリリースしています。

今作はメロウでスムースなものを中心にしつつ、Three 6 Mafiaを思わせるソウルフル路線も交えたGな作品に仕上がっています。Larry Juneの飄々とした低音で歌心のあるラップとも抜群の相性。傑作です。


1. Clocked In

エレピが心地良いスムースなメロウ。

フュージョンっぽい味のギターやファンキーなベースも効いたビートで、Larry Juneのリラックスしたラップが堪能できる好曲です。ベイらしい裏声フロウも聴けます。


2. Chops on the Blade

1990年代ミッドウェストG直系のスウィートなメロウ。

落ち着いたピアノや軽めの808を用いたサウンドは、G好きの方なら悶絶必至です。例の高音シンセも使用。


3. Ocean Cuisine (with 2 Chainz)

ソウルフルなストリングスをループした南部ノリの曲。

隙間多めのフロウにSEやアドリブを入れていくLarry Juneのヴァースは、Westside Gunnなどの流れでも聴けそうなものです。2 Chainzののっぺりとしたラップも良い味を出しています。


4. Love of Money

定番ネタ使いのソウルフル路線。

多くのアーティストがサンプリングしてきたネタですが、ここではダーティな808を使ってトラップ仕様に仕上げています。Larry Juneの歌に完全ノックアウト。


5. Sweet Lady (with DeJ Loaf)

浮遊感のあるシンセをループした上品なメロウ。

G好きの方にはもちろん、DrakeやSoulection周りの音楽が好きな方も楽しめそうな曲です。DeJ Loafとのメロディアスな絡みも極上。


6. Pop Out (feat. ScHoolboy Q)

ブリブリのベースを鳴らすGファンク路線。

ラチェット以降のループ感覚を備えつつも、ドラムの手数も少なく全体の印象としてはメロウネスが際立っています。ScHoolboy Qの絞り出すようなラップとも好相性。


7. The Great Escape (with The Alchemist)

The Alchemistをラッパーとして起用した曲。

ビートはヴォコーダーが目立つソウルフルなネタ使いに、808を合わせたGなものです。Larry Juneお馴染みの「イェーイイェイ」も聴けます。


8. Glasshouse Knockin'

1990年代ベイG作品に入っていそうなGファンク。

ブリブリのファンキーなベースに例の高音シンセ、軽めの808が絡む極上メロウです。G好きの方にはたまらないはず。


9. Without You (Blxst Interlude) (with Blxst)

Johnny JulianoとYung Exclusiveとの共作。

例の高音シンセも用いたトラップビートで、Blxstの歯切れ良くスウィートな歌声と絡む佳曲です。シンガーを迎えてもフックを歌うLarry Juneの歌心も際立っています。


10. GPGP (with Too $hort & Peezy)

逆再生のループが印象的な曲。

ファンキーなベースや例の高音シンセも効いたビートで、シンプルなToo $hortとオフビート気味のPeezyとの持ち味の異なるマイクリレーが楽しめる良曲です。Too $hortのヴァースがベスト。


14. Made A Way (with Payroll Giovanni)

CardoのDJ Quik的な側面が強く出た曲。

例の高音シンセや涼しげな音使いが目立つスムースなビートで、二人のGなラップが堪能できる悶絶メロウです。中西部Gの味。


15. Road Runnin'

穏やかなメロウ路線。

クールなエレピとファンキーなベースが心地良いビートを、Larry Juneがオフビート気味のフロウも交えて巧みに乗りこなした好曲です。歌心のあるフックも強力。


16. Big Fish (with Alemán)

メキシコのラッパー、Alemánをフィーチャー。

ベースとエレピで聴かせるベイGマナーの曲です。巻き舌気味のスペイン語ラップがアルバムの流れに新鮮な味をプラスしています。


17. The Good Kind

例の高音シンセに完全にノックアウトされる曲。

浮遊感のあるウワモノやファンキーなベースも完璧。Larry Juneのゆるい歌も聴ける、G好きの心を鷲掴みにする極上メロウです。

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