おすすめ旧譜アルバムVol. 76: T-Mac「Shinin' & Bigtymin'」
旧譜紹介Vol. 76です。
今回紹介するのは、サウスカロライナのラッパーのT-Macによる1999年のアルバム「Shinin' & Bigtymin'」です。
T-Macはサウスカロライナ出身のラッパーです。
1990年代後半に登場。1999年に本作をリリースしているほか、2010年代に入っても2016年の「BMD」などミックステープをいくつか発表しています。同名の別人の可能性が捨てきれずこのT-Macの作品だと言い切れる作品は見つけられませんでしたが、2010年代に活動しているラッパーが2000年代に何もリリースしてないことはないように思います。なお、現在も活動しているようです。
本作の時点では高めの声質でイナタいフロウを聴かせる、ルイジアナっぽいスタイルのラッパーです。2010年代に残したミックステープではアトランタっぽい荒々しさが備わっています。サウンド面は初期はバウンスや哀愁系などのルイジアナGっぽい作りでしたが、2010年代はトラップにも乗っています。
本作はラップ・サウンド共にルイジアナっぽい匂いのするGな作品です。やや地味なバウンスやファンキーな路線が多いので、Cash MoneyやNo LimitよりもC-Loc周辺あたりが好きな方におすすめ。
2. Diamonds Always Shinin' Feat. Down & Dirty
チープなブラスが目立つバウンシーな曲。
ビートもかなりルイジアナっぽい作りですが、ルーズな念仏フロウもかなりそれに近いです。Cash Money作品が好きな方も是非。
6. We Made It Feat. Down, Mega Buck$ & Suave
男声シンガーがフックを歌う哀愁路線。
悲しげなストリングスやシンセが効いたビートで、イナタいラップとソウルフルな歌が味わえる良曲です。本作のハイライトの一つ。
8. Ride Wit Me Feat. Baby Bone & O.Z.
手数の多いハイハットを使った鬼渋ファンキー曲。
高音シンセやシンプルなベースが印象的なビートに、コクのあるラップを乗せた好曲です。南部G好きの方にはたまらないはず。
11. Player Hating Hoe's Feat. Down & Dirty
Gファンク影響下にあるメロウ。
ブリブリのベースが目立つGなサウンドで、フックでは男声シンガーが「ホ~ホ~ホ~」と歌い上げる佳曲です。濃厚。
13. Life In Da Game Feat. Dirty, O.Z.
チープなファンキー路線。
シリアスなピアノやストリングスに高速ハイハットを合わせた、Dr. Dreタイプのビートを南部っぽく仕上げたような曲です。高音シンセがGな味を高めています。
14. My Homie's Gone Feat. O.Z. & Suave
ラップが2Pac化した哀愁系の曲。
ストリングスを用いたGセンスたっぷりのビートで、コクのある歌フックが沁みる良曲です。オヤGの方は是非。
17. I Love You Momma
私が持っているCDが何か間違っているのかもしれませんが、本来なら18曲目に来るはずの曲が17曲目に収録されています。
どうやら15曲目に入っているはずの「Drug Deals」が未収録のようです。この曲はストリングスやピアノが印象的なビートで、ソウルフルな歌が堪能できる哀愁メロウの好曲。
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