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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 63: Skyzoo「All the Brilliant Things」

新譜アルバム紹介Vol. 63です。

今回紹介するのは、NYのラッパーのSkyzooがリリースした「All the Brilliant Things」です。

ジャケ

SkyzooはNY出身のラッパーです。

00年代前半に登場。04年の「Ghetto Celebrity: The Mixtape」などミックステープを数枚発表し、06年には9th Wonderとのタッグ作「Cloud 9: The 3 Day High」をリリースします。07年にはDJ PremierやSean Priceなどとの共演曲も含むミックステープ「Corner Store Classic」を発表。09年には1stアルバム「The Salvation」をリリースします。その後も10年の!llmindとのタッグ作「Live from the Tape Deck」や14年のToraeとのタッグ作「Barrel Brothers」など、多くの作品をリリース。近年も19年のPete Rockとのタッグ作「Retropolitan」や、ジャズバンドのDumbo Stationとのタッグ作「The Bluest Note」などを発表し、精力的に活動しています。

Jay-ZやTalib Kweliからの影響を感じさせる、NYらしいクールでタイトなラップスタイルの持ち主です。サウンド的にはブーンバップを軸にしつつ、時折少し挑戦的な試みも行います。

今作は生っぽい音も多く導入したジャジーなブーンバップ作品です。Skyzooのラップもキャリアを重ねて燻し銀の魅力が出てきています。快作。


2. St. James Liquors Feat. Aaria

弾力のあるベースが印象的なグルーヴィな曲。

ファットなドラムやフックで入ってくるトランペットなど、生っぽい音が光る良曲です。Aariaの力まない歌も絶妙。


5. Bodega Flowers Feat. BJ the Chicago Kid

太いドラムが効いたブーンバップ。

メロウなエレピや艶っぽいベースが心地良く響く中、BJ the Chicago Kidの穏やかな歌フックが静かに華を添えた好曲です。随所で入るスクラッチも美味。


7. Humble Brag

大ネタを巧みに使用した曲。

女性コーラスに太いドラムを合わせた美しいビートに、ゴリっとしたラップが映えています。フックでのドラムパターンの変化も印象的。


8. I Was Supposed to Be a Trap Rapper

ジャジーなエレピやドラムを使った曲。

どこか緊張感の漂うビートで、そのラップ力を見せつける佳曲です。最後の方ではトラップビートにスイッチして乗せ方もそれっぽくなりますが、意外なほど自然に乗りこなしています。


10. The Scrimmage Feat. STLNDRMS

ソウルフルな歌声をよれ気味にサンプリングした曲。

STLNDRMSはビートだけではなく、フックで少しBirdman似のラップを披露しています。詰め込みフロウも取り入れたSkyzooのヴァースも素晴らしいキレ。


11. Culture-Ish Feat. Karriem Riggins & Monica Blaire

暖かいトランペットや生のドラムと絡むジャジー路線。

Monica Blaireの美しくソウルフルな歌声やSkyzooのタイトなラップと、生演奏の絡みが極上の味を出しています。今作のハイライトの一つ。


12. Bed-Stuy is Burning Feat. Hypnotic Brass Ensemble

ドライブ感のあるブーンバップにブラスバンドをフィーチャー。

イントロでのわかる人にはわかるサンプリングから熱くさせられます。生演奏とラップの絡みもハイレベル。今作のベストトラック。

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