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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 1: Jazmine Sullivan「Heaux Tales」

今年のアルバム紹介Vol. 1です。

今回紹介するのは、フィリーのシンガーのJazmine SullivanがリリースしたEPの「Heaux Tales」です。

ジャケ

Jazmine Sullivanはフィリー出身のシンガーです。

Kindred the Family Soulの03年作「Surrender to Love」収録の「I Am」への客演で登場。その後FantasiaやChristina Millianなどの作品でのバックヴォーカルやソングライティングを経て、08年に1stアルバム「Fearless」をリリース。10年には2ndアルバム「Love Me Back」をリリースしますが、その後15年の3rdアルバム「Reality Show」までは再び裏方・客演中心の活動になります。この期間にはKendrick LamarやMary J. Blige、Robert Glasperなどの作品に参加。「Reality Show」リリース後もFrank OceanやAnderson .Paakなどの作品に参加しており、変わらず高い評価を得ています。

Mary J. BligeやJaguar Wrightなどの系譜に連なる、ヒップホップ以降の感覚も持ったソウルフルな歌声が魅力のシンガーです。圧倒的な歌ヂカラの持ち主ですが、パワー勝負一辺倒ではなくクールにも歌えます。サウンド的にはオーガニックな質感のソウルを軸にしつつ、寄せすぎない程度にその時々のトレンドも汲んだものを聴かせます。

今作は自身名義の作品としては久々のリリースで、トラップ的な要素も交えつつもソウルとしての良さをキープした快作に仕上がっています。


1. Bodies (Intro)

KeY Waneプロデュース。

スナップ音と穏やかなシンセを使った浮遊感のあるビートで、強弱自在なソウルフルな歌が堪能できる良曲です。一人グループ状態のコーラスワークも見事。


3. Pick Up Your Feelings

オーガニックな質感のソウル。

逆再生っぽいシンセのフレーズが現代性を加えつつ、控えめなドラムや淡々としたベースで歌を際立たせた好曲です。時折Lauryn Hillを思わせる瞬間も。


5. Put It Down

KeY Wane制作のトラップソウル。

手数の多い808と透明感のあるシンセが印象的なサウンドで、三連フロウも巧みに取り入れたクールな歌が楽しめます。サラッと使うスクリュー声やオートチューンも絶妙。


6. On It with Ari Lennox

Ari Lennoxとの連名によるネオソウル。

温もりのあるギターやドラムが効いたスロウな音の上で、熱くねっとりと歌い上げる良曲です。ソウル好きの方にはたまらないと思います。


8. Price Tags Feat. Anderson .Paak

沈み込むようなベースが印象的な曲。

熱くもクールにもいける二人の持ち味が見事に噛み合った良曲です。Anderson .Paakはヴァースのみの参加ですが、ラップをメインにしつつ歌も織り交ぜて流石の存在感。


10. Lost One

ギターのみで聴かせるオーガニックなソウル。

薄くロウパスをかけたようなくぐもった質感のギターの上で、多重録音やディレイも使いつつ圧巻のソウルフルさを聴かせる良曲です。シンプルながら現行の質感を持っています。


12. The Other Side

凛とした歌が素晴らしいソウル。

チチチと走る高速ハイハットや三連フロウも巧みに取り入れつつ、普遍的なソウルの良さも備えたような好曲です。後半に入ってくる美しいストリングスも良い味を出しています。


14. Girl Like Me Feat. H.E.R.

現行シーン屈指の歌ヂカラ強者対決。

アコースティックギターとベース、声ネタのみのシンプルな曲です。絞った音数で際立つ歌の魅力にノックアウト必至。

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