2023年おすすめ新譜アルバムVol. 50: Don Toliver「Love Sick」
新譜アルバム紹介Vol. 50です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのDon Toliverがリリースした「Love Sick」です。
Don Toliverはテキサス出身のラッパーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後は2021年にアルバム「Life of a DON」をリリースしています。
今作はスペイシーなムードや穏やかでR&B要素のあるものを取り入れたサウンドで、そのソウルフルに歌うラップが堪能できる快作に仕上がっています。随所でテキサスらしい味も覗かせます。
2. Let Her Go (feat. James Blake)
James Blakeはプロデューサーとしても参加。
浮遊感のあるシンセにそのニュアンスが感じられますが、基本的にはDon Toliverらしいトラップソウル系の曲です。歌声の絡みもばっちり。
3. Leave The Club (feat. GloRilla & Lil Durk)
この曲にもJames Blakeがクレジットされています。HitKiddも参加。
サイバーな響きのシンセが効いたビートで、旬の煌めきが詰まった三人のラップが楽しめる好曲です。GloRillaの出番前にはより緊張感漂うものにビートスイッチします。
Beanie Man「Girls Dem Sugar」のリメイク的な曲。
サンプリングして使っているだけではなく、フックでも原曲でMyaが歌っていたメロディをKali Uchisが歌っています。ミニマルで寸止め感のあるビートも強力。
ビートスイッチのある…というか、TisaKorean「Backseat」のビートジャックを後ろにくっ付けたような曲。
前半はHit-Boyも関わったスペイシーなトラップソウル系の曲です。ビートジャックが後半にあることで、Screwed Up Click関連作やChingo Blingなどテキサス伝統っぽい要素がプラスされています。
10. Slow Motion (feat. Wizkid)
The Weekndが出てきそうなシンセポップ路線。
Wizkid客演ですがアフロビーツ色はなく、妖しいシンセを使ったダークな曲に仕上がっています。James Blake絡みですがUKっぽくもなく不思議な感触。
12. If I Had (feat. Charlie Wilson)
DJ Dahiも制作に関わったR&B路線。
1980年代っぽい甘酸っぱいシンセやドロッとしたベースが効いたサウンドで、1980年代を生きたChalie Wilsonと絡む好曲です。後半でのCharlie Wilsonの歌いっぷりは流石の貫禄。
14. Bus Stop (feat. Brent Faiyaz)
R&B色も強いメロウなジャージークラブ。
Hit-Boyも関わったクールでいて弾力のあるビートで、Don Toliverのダウナーな歌フロウが楽しめる佳曲です。後半にスロウダウンしてから登場するBrent Faiyazの美声に悶絶必至。
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