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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 41: Lil' Flip & Tum Tum「Made In Texas 2」

新譜アルバム紹介Vol. 41です。

今回紹介するのは、テキサスのラッパーのLil' FlipとTum Tumがリリースした「Made In Texas 2」です。

ジャケ

Lil' Flipはヒューストン、Tum Tumはダラスと共にテキサス出身のラッパーです。

Lil' Flipは1990年代後半、Tum Tumは2000年代前半に登場。それぞれ2000年代から精力的にソロ作をリリースしてきました。二人ともテキサス勢ということで以前から共演曲をいくつか残していましたが、2020年にはタッグ作「Made In Texas」をリリース。以降もお互いの作品に参加し合い、デュオのような動きを見せています。

Lil' Flipは少し高めの華のある声質で、ゆるくスムースなラップを聴かせるラッパーです。Tum Tumはダミ声でイナタいラップスタイル。路線的には二人とも2000年代ブレイク組のテキサスらしい、ヘヴィでバウンシーなものやメロウなどを好みます。Lil' Flipは毒々しく奇抜なビート、Tum Tumはスナップなどのクラブバンガー路線も得意としています。

今作はトラップ要素も取り入れつつもテキサスGフレイバーが濃厚な、ソウルフルなものを中心にTum Tum寄りのスタイルも取り入れた作品です。テキサスG好きの方は是非。


1. Made In Texas 2 Feat. Big Shasta

ブルージーなギターが光るトラップ。

ボコボコした低音や手数の多い808は現行の空気ですが、しっかりとテキサスマナーに仕上がった良曲です。Big Shastaのコクのある歌フックもばっちり。


2. 3rd Coast Paradise Feat.  Big Shasta

不穏なコーラスをループした曲。

この曲もトラップ流儀のドラムを使っており、フロウ面でも三連フロウを取り入れています。しかし三人の乗せ方にはやはりテキサスの匂いが濃厚。


3. My Boyyy

Claymakerプロデュース。

少しThe Diplomatsっぽいソウルフルなネタ使いの曲です。Tum Tumの無骨な声と柔らかいネタの質感が好相性。


4. Diamonds & Woodgrain Feat. Highway Yella

いかにもテキサスっぽいタイトルの曲。

モコモコのベースに南部マナーのドラム、声ネタフックとどこを切ってもテキサスG度が高いです。Highway Yellaのラップもシャープでいてイナタさがあり、好き者の方にはたまらないはず。


6. 1,2,3,4 Feat. Dorrough Music

スカスカのクラブバンガー路線。

808とスクラッチだけで聴かせるようなビートで、イナタいマイクリレーを聴かせる好曲です。わかりやすいフックも強力。


7. Live a King Life

まったりとしたソウルフルな曲。

抜けの良いドラムや爽やかなピアノ、ファンキーなギターやベースが心地良い佳曲です。二人のGなラップも映えています。


11. The Great State Of Texas

高速ハイハットとソウルフルな質感が印象的な曲。

穏やかでイナタいテキサスGマナーのビートで、二人のラップが堪能できます。派手さはありませんがじんわりと効いてくる良曲。


12. O.G. Feat. Chevy Woods

ボーナストラックとして収録された初出は2020年の曲。

オルガンや808、例の高音シンセやギターを用いたRap-A-LotやUGKタイプの曲です。フックを担当するChevy Woodsの歯切れ良いラップも馴染んでいます。

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