2024年おすすめ新譜アルバムVol. 44: BlueBucksClan & Hit-Boy「Biggest Out the West」
新譜アルバム紹介Vol. 44です。
今回紹介するのは、西海岸のラップデュオのBlueBucksClanとプロデューサーのHit-Boyがリリースした「Biggest Out the West」です。
BlueBucksClanは西海岸出身のラッパー、DJとJeeezyの二人によるデュオです。Hit-Boyは西海岸出身のプロデューサーです。
BlueBucksClanについては以前書いたこちらを。
この後はシングルを数曲リリースしているほか、310babiiやMustardなどの作品に客演しています。Hit-Boyは2000年代後半に登場し、2010年代にA$AP RockyやKendrick Lamarなどの作品を手掛けて本格ブレイク。BlueBucksClanとの共作は今作が初ですが、Benny the ButcherやPacman da Gunmanなどラッパーとのタッグ作を多く制作しています。
Hit-Boyはブーンバップやトラップなど、多彩な作風を聴かせるプロデューサーです。華のある音作りが特徴で、ベースやドラムの使い方などに西海岸マナーの要素を入れることもあります。
今作はBlueBucksClanのスタイルに合わせた、冷たいトラップを中心にラチェット以降のバンギンやソウルフル路線なども織り交ぜた作品です。Hit-Boyの現行ウェッサイマナーに沿った見事な手腕が堪能できる快作に仕上がっています。
1. Forever
逆再生のようなシンセが印象的な曲。
跳ねるようなドラムやブリブリのベースも巧みに使った、西海岸らしいシリアスな曲です。二人のダウナーなラップとも好相性。
2. Open Slot
低音シンセに痺れるトラップ。
冷たいピアノややたら数の多いキックが緊張感を醸し出したハードな曲です。派手さはありませんが今作のハイライトの一つ。
バンジョー(?)の音を使った曲。
ボコボコとした808を鳴らすトラップ系のビートで、2 Chainzのイナタいラップを迎えた好曲です。全く異なるラップスタイルですが意外なほど合っています。
7. Made For the Pole (feat. Wiz Khalifa)
Hit-Boy流フォンク。
カウベルやダーティな808、いかにもな声ネタを巧みに使った良曲です。軽妙なWiz Khalifaと冷たいBlueBucksClanの絡みも美味。
14. Dog a Bitch
凶悪な低音が響くハードな曲。
シリアスなピアノと二人の冷徹なラップが、迫力と哀愁を同時に出しています。完璧な相性。
15. Momentum
今作のベストトラック。
ストリングスやピアノを使ったループを軸に、ブリブリのベースが攻撃的に入ってくるシリアスな曲です。Hit-BoyとCorbettの共作。
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