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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 67: Duke Deuce「CRUNKSTAR」

新譜アルバム紹介Vol. 67です。

今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのDuke Deuceがリリースした「CRUNKSTAR」です。

ジャケ

Duke Deuceはメンフィス出身のラッパーです。

これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後は2021年にアルバム「Duke Nukem」をリリースしています。

今作はメンフィスらしいダークさは残しつつ、ロック風味などを取り入れて個性豊かな客演も多く迎えたお祭りアルバムです。クランク一辺倒ではなく程良く違う路線も揃えた好作に仕上がっています。


2. CRUNKSTARZ

浮遊感のあるシンセを使ったメロディアスな曲。

ラップ面での暑苦しさは控えめで、歌うようなフロウが楽しめます。しかし声ネタ的に掛け声が入り、クランク要素もしっかりと導入。フックでは例の高音シンセも。


3. I AIN'T WORRIED BOUT IT

AyozaとRocaineの共作。

重厚なシンセとハードなドラムが効いた、Mタウンクランク系の曲です。フックでの連呼がキャッチー。


4. HELL NAH Feat. Co Cash, Gloss Up & Slimeroni

Hitkiddプロデュース。

ダークなストリングスと手数の多いドラムを使った、Three 6 Mafia直系のクランクです。全員がメンフィスらしいイナタいラップを聴かせており、好き者の方にはたまらないはず。


5. FALLING OFF Feat. Rico Nasty

ギターがギュンギュンと唸るクランクロック。

クドい味のビートをそれ以上にクドいラップで迎え撃った、暑苦しい良曲です。Rico Nastyの絞り出すようなラップもばっちり。


7. OPEN UP Feat. DJ Toots

実父のDuke Nittyが手掛けたクランク。

ストリングスのループと南部マナーのドラムを用いたシンプルなビートの上で、ラップというより煽りで通すパーティチューンです。以前からクランクに親しんでいる方は是非。


8. JUST SAY THAT Feat. Glorilla

Allen RitterとMetro Boominのコンビが手掛けた曲。

妖しくミニマルなシンセにMetro Boominの色はありますが、基本的にはDuke Deuceに合わせたMタウンクランク路線です。Glorillaとの掛け合いフックが楽しい佳曲。


9. I GET CRUNK

Hitkidd制作のタイトル通りのクランク。

メンフィス流儀のダークなウワモノを使いつつ、掛け声を多用して楽しく仕上げた好曲です。口ずさみたくなる魅力があります。


10. MONEY BANDANA Feat. Babyface Ray & Doe Boy

Young Dolph周辺がやりそうなトラップ。

冷たいピアノと圧の強い低音が印象的なビートで、コミカルな味のあるDoe BoyとクールなBabyface Rayとの異なる個性のマイクリレーが楽しめます。Doe Boyのヴァースがベスト。


11. RAGE

レイジではなくクランクです。

Digital Nasが手掛けた爆音トラップビートで、Duke Deuceが暑苦しく叫びまくるエネルギッシュな曲です。「レ~イジ!」と被せたくなります。


15. WTF!

トレードマークのアドリブ「ワタファ~!」を軸にした曲。

「ワタ」の後に「フー?」など違うフレーズを出すフェイントも含めて楽しい曲です。ビート的にはダークなメンフィスマナー。


17. I'M ALIVE AGAIN Feat. JP The Rockstar

Duke Nitty制作の哀愁路線。

ブルージーなギターが沁みる、メンフィスのクランクとは違うサイドを打ち出した良曲です。Duke Deuceのクドい歌フロウも見事。


18. RUNNING OUTTA LOVE Feat. Dante Smith

今作のハイライトの一つ。

DANTE SMITHが弾くギュンギュンとしたギターに、Hitkiddによるメンフィス印のドラムを合わせた濃厚な曲です。Duke Deuceの暑苦しいラップも強力。


20. LIVING LIFE

ギターが唸るクランクロック系の曲。

ドラムはやはりメンフィスマナーで、クロスオーバー感は音色が与える印象の割には希薄です。Duke Deuceのパワフルなラップともやはり好相性。

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