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おすすめ旧譜アルバムVol. 66: Kane & Abel「Most Wanted」

旧譜紹介Vol. 66です。

今回紹介するのは、ルイジアナのラップデュオのKane & Abelによる00年のアルバム「Most Wanted」です。

旧譜紹介

Kane & AbelはNY出身でルイジアナを拠点に活動していたラップデュオです。

初期はDouble Vision名義で活動し、95年には1stアルバム「Keep Your Eyes Open」をリリース。その後No Limitと契約し、名義をKane & Abelに改めます。96年には同レーベルから初となるアルバム「The 7 Sins」をリリースし、98年のアルバム「Am I My Brothers Keeper」はヒットを記録。99年にはNo Limitを離脱し、アルバム「Rise to Power」をリリースします。00年に本作をリリースした後は、02年の「The Last Ones Left」や03年の「Welcome Home」などのアルバムをリリース。以降は10年の「Back On Money」を最後にKane & Abelとしての作品リリースは止まっていますが、Mr. Delが16年のリリースしたアルバム「Love Noize」収録の「They Don't Love Me」など客演でその声を聴くことができます。

二人ともNo Limit軍団らしい荒くれ者テイストがありつつも、アクが強すぎないラップスタイルの持ち主です。サウンド的にはルイジアナ印のバウンスやメロウなど。ルイジアナG好きの方ならたまらない音楽性です。

本作はコテコテのバウンスが連打されるルイジアナ印のアッパーな作品です。苦手な方はとにかく苦手かと思いますが、好き者の方は是非。


1. Show Dat Work (Shake It Like A Dog Pt. 2) Feat. Mystikal & 5th Ward Weebie

暑苦しいニューオーリンズバウンス路線。

主役二人を食う勢いの客演二人の賑やかしが強烈な曲です。随所で聞かせるスクラッチもばっちり。


2. Excursionz Feat. Phoolish

勇壮なホーンが印象的なゴリゴリのバウンス。

高速ハイハットと軽めのスネア、そしてこのウワモノはこの頃のトラップにも通じる味があります。感触的にはルイジアナGらしいワイルドな良曲。


3. Count Your Ones Feat. Fiend & Boss Playa

マーチングバンドっぽいドラムを使った曲。

ドロドロとしたベースが前面に出た不穏なバウンス路線です。Fiendのダミ声が見事にハマっています。


4. Down Wit You

客演には書いてありませんがPapa Reuが参加。

スティールパンを使ったトロピカルなバウンスビートで、Papa Reuのレゲエ風味の歌ラップと絡む好曲です。本作のハイライトの一つ。


8. Slide It Off

5th Ward Weebieがフックを担当。

スティールパンと不穏なストリングスが目立つバウンス路線の曲です。弾けるようなフックがキャッチー。


10. Dub Dat

クレジットのない謎の女声シンガーが参加。

チロチロとした妖しい音使いと不機嫌なピアノ、ブヨブヨのベースを用いたルイジアナGらしいイナタい曲です。歌フックを導入してもバウンシー。


13. We Got That Candy

Ghetto Angelなる女声シンガー(「Dub Dat」に参加していた人と同じ?)がフックを担当。

チープなピアノと太いベースが効いたドロっとしたファンク路線です。「Candy」は「キャンデ~」と発音しています。


14. Get Right!

クレジットのない女声ラッパーが参加。

不穏なウワモノにクラップの連打と高速ハイハットを絡めたバウンスものです。やや地味ですが好き者の方は是非。

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