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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 111: Outlaw Mel「Rhythm City」

新譜アルバム紹介Vol. 111です。

今回紹介するのは、テキサスのラッパー兼プロデューサーのOutlaw Melがリリースした「Rhythm City」です。

Outlaw Melはテキサス出身のラッパー兼プロデューサーです。

2010年代前半に登場。ヒップホップコレクティヴのThe Outfit, TXのメンバーとして活動し、2012年のアルバム「Starships & Rockets : Cooly Fooly Space Age Funk The Album」など数枚の作品をリリースします。並行してソロとしても活動し、2013年にはThe Outfit, TXメンバーのDorianとのスプリット作「Cognac / Four Corner」をリリース。以降も多くの作品を発表し、近年も2021年のアルバム「Broken Home Baby」などをリリースしています。

HAWKやGrit Boysあたりを思わせる、低音でイナタくドロッとしたラップを聴かせるラッパーです。プロデューサーとしてはトラップやクラウドラップの影響を感じさせつつも、1990年代テキサスGから受け継いだような妖しくスペイシーなサウンドを作ります。

今作はStunt N DozierのStunt Degrateと共に全曲を制作した実質タッグ作です。2000年代テキサス(もっと言うとダラス)のバウンシーなフレイバーを、ドロドロのダークなサウンドに取り入れた好作に仕上がっています。


1. Drank Spill (feat. Mr Hit Dat)

カウベルをループした曲。

フォンクっぽくも聴けますが、スナップなども印象的で2000年代の南部ヒップホップのような味があります。アウトロでのMr Hit Dat(!)の煽りもばっちり。


2. Have 2 Work

「Drank Spill」のアウトロと繋がっている曲。

チープなシンセと手数の多い808が主導する、2000年代テキサス直系の曲です。例の高音シンセもイナタく鳴っています。


5. Tha Dude (feat. Outlaw Jayhawk)

The Outfit, TXらしいスペイシーな曲。

ボコボコとした低音を鳴らしつつも、例の高音シンセをミニマルにループしてG風味を出した好曲です。Outlaw Jayhawkのパワフルなラップとの絡みも絶妙。


8. Lil Beyonce

この曲もThe Outfit, TX色強めです。

スペイシーなシンセを用いた妖しいビートで、歌心とコクのあるラップを聴かせる良曲です。テキサスG好きの方ならニヤリとするはず。


9. Jig 4 Me (feat. Lil Ronny MothaF)

ちょっとSuave Houseっぽい匂いのする曲。

スペイシーなシンセと808を使ったビートに、Outlaw Melが濃厚なラップを聴かせる佳曲です。Lil Ronny MothaFの程良い軽さとも好相性。


10. Red Beam (feat. Dorrough Music)

客演のスタイルに合わせた曲。

クランクっぽいシンセを鳴らしつつも、やはり全体的にはドロッとした感触です。Dorrough Musicのイナタいラップに持って行かれます。


12. At the Stoplight

Gセンスが滲み出たダークな曲。

妖しいシンセのループに808、Juvenileあたりの影響を感じさせるイナタいラップ……とG好きの方にはたまらない曲です。カウベルも鳴っています。

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