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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 21: J. Stalin「Prenuptial Agreement 2」

新譜アルバム紹介Vol. 21です。

今回紹介するのは、ベイのラッパーのJ. Stalinがリリースした「Prenuptial Agreement 2」です。

J. Stalinはベイ出身のラッパーです。

2000年代前半に登場。Richie RichやThe Jackaなどの作品への客演を経て、2006年には初のアルバム「On Behalf of the Streets」をリリースします。その後も2008年の「Gas Nation」、2010年の「Prenuptial Agreement」など精力的に作品を発表。また、ソロ作だけではなくレーベルのLivewireでのコンピレーションやDJ. Freshとのタッグ作なども多くリリースしています。一年に複数枚リリースすることも珍しくない多作なアーティストです。

Lil Wayneからの影響をベイっぽいイナタさで消化したようなフロウを、ハスキーな声質で聴かせるラッパーです。ゆるい歌心も覗かせます。サウンド的にはGファンクやメロウ路線などのGの王道を行くスタイルが基本ですが、ハイフィやトラップを取り入れることもあります。

今作はメロウやGファンクなど、ベイらしい路線に焦点を絞った良作に仕上がっています。G好きの方は是非。


2. Who U Talkin 2 (feat. June)

ブヨブヨのベースが効いたシリアスなGファンク。

犬の鳴き声や手数の多い808など、現行ベイマナーの要素も入った好曲です。Juneのジメジメとしたラップもばっちり。


4. World on My Shoulders

例の高音シンセも飛び出すメロウ路線。

ストリングスやブリブリのベース、軽めの808など普遍的なGセンスが詰まった曲です。ゆるい歌フックも心地良く聴けます。


5. Alot of Money (feat. 22nd Jim)

808をボコボコと鳴らす現行メロウ。

清涼感のあるシンセや遠くから聞こえてくるストリングスは、G好きの方にはたまらないと思います。22nd Jimのラップもいかにもベイの味。


7. Basic (feat. Lyjah)

現行ベイマナーの哀愁メロウ曲。

もの悲しいピアノやシンセの響きにハードな808を絡めた、Mozzyあたりがやりそうな曲です。Lyjahの寂しげな歌フックも見事。


9. To Do List (feat. June Poole)

ふうわりとしたシンセが心地良いメロウ。

June Pooleのスムースな歌だけではなく、J. Stalinのラップも歌うようなフロウでメロディアス成分が強めです。1980年代R&Bをモダンに作ったようなビートも極上。


10. Issues (feat. Lyjah & Stunnaman02)

EBK一派などを思わせるシリアスな曲。

悲しげなピアノに跳ねるようなドラム、早回しの歌声を絡めた良曲です。再び登場のLyjahによる歌フック、Stunnaman02のパワフルなラップとも好相性。


11. S. 580 (feat. Lyjah)

Lyjahがフックを歌うメロウ曲。

ミニマルなシンセにバウンシーな808を合わせた、ラチェット以降を感じさせる曲です。しかし全体的には哀愁ムードが漂っています。


14. 3 Minutes (feat. Philthy Rich)

The Mekanixも関わった名作の続編らしい曲。

ブヨブヨのベースにソウルフルな歌声、例の高音シンセ…とGセンスが溢れ出す哀愁メロウ曲です。Philthy Richも出番少なめながら強力なヴァースを披露。

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