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おすすめ旧譜アルバムVol. 55: Trae「Losing Composure」

旧譜紹介Vol. 55です。

今回紹介するのは、テキサスのラッパーのTraeによる03年のアルバム「Losing Composure」です。

旧譜紹介

Traeはテキサス出身のラッパーで、現在はTrae tha Truth名義で活動しています。

ラップグループのGuerilla Maabのメンバーとして90年代に登場。Guerilla Maabについては以前書いたこちらを。ソロとしては03年の本作が初リリースです。その後も04年の「Same Thing Different Day」、06年の「Restless」など精力的に作品をリリース。08年頃から名前にtha Truthが足され、12年にGrand Hustleと契約します。15年には同レーベルからの初作品「Tha Truth」をリリース。以降も16年の「After 48 Hours」などリリースを重ねています。

音楽性については以前書いたGuerilla Maabの記事を。ソロでのサウンドは基本的には緊張感のあるバンギンや哀愁メロウを得意とするテキサスらしいものですが、徐々にメインストリーム志向が強くなり10年代以降はトラップにも乗っています。

本作はメインストリーム志向が薄くGセンスが濃厚な、G好きの方にはたまらない傑作に仕上がっています。バンギンもありますが哀愁メロウが充実しており、ソファに泣き崩れる瞬間が何度も訪れます。G好きの方は是非。


1. Intro

Traeは登場しないイントロ。

Guerilla Maab「Problems」からサンプリングしたZ-Roの歌の断片が、深いピアノのループと遠くから聞こえてくるストリングスに沈み込んでいく哀愁曲です。いきなりG心を鷲掴みにされます。


2. Beware Feat. Bun B & Z-Ro

Dr. Dre「2001」タイプのストリングスを使ったバンギン。

主役のジメっとしたラップもBun Bのキレのある力強いラップも素晴らしいですが、ヘタウマな歌フックから鬼気迫る高速ラップまで聴かせるZ-Roが凄いです。後半の歌いっぷりも見事。


4. Losing Composure Feat. Z-Ro & Yukmouth

緊張感のあるストリングスが印象的な曲。

ダークなバンギン路線のサウンドで、3人のキレのあるマイクリレーが楽しめる良曲です。ここでもZ-Roが歌フックを披露。


5. Stressin' Me Feat. Billy Cook

Billy Cookを主役に据えたようなハードなバウンス。

ホーンが緊張感を煽るビートで、Billy Cookがヴァースの多くも担いソウルフルかつドラマティックに歌い上げる好曲です。後半客演気味に登場するTraeの高速ラップも目覚ましい格好良さ。


6. Life on da Edge Feat. T.C. & Shyna

女性シンガーのShynaと男性ラッパーのT.C.をフィーチャー。

UTPのSkipのようなヌメっとしたラップを聴かせるT.C.と、低音で詰め込むTraeのコントラストが楽しい曲です。淡々としたギターを使ったビートとShynaの程良く力の抜けた歌もばっちり。


7. Days of My Life Feat. Billy Cook

本作のベストトラック。

もの悲しいギターや遠くから聞こえてくるストリングスが効いたビートで、Billy Cookのやるせない歌と絡む哀愁メロウです。オヤGはソファに泣き崩れるしかありません。


8. Doing My Thang Feat. Russell Lee

哀愁曲が続きます。

ギターが切なく響くシンプルなビートに、Russell Leeが悲しげに歌を絡める良曲です。フックだけに留まらない美声の絡みに悶絶必至。


9. Ain't No Turnin' Back Feat. Z-Ro

粘っこいファンク路線。

ベースがうねるねっとりとしたビートを、Z-RoとのABNコンビでソウルフルに攻める曲です。Z-Roのフック名人ぶりはここでも全開。


12. Pimpin' Feat. Lil B, Jay'ton & Pimp Skinny

Lil BはベイのLil Bとは別人で、Pimp SkinnyもKingpin Skinny Pimpの間違いではなく別のラッパーです。

ゆったりとした粘っこいファンク路線のビートに、歯切れ良くラップを乗せていく好マイクリレーです。フックでのTraeのゆるい歌も良い味を出しています。


13. Oh No Feat. Paul Wall & Chamillionaire

当時はデュオで活動していた二人を丸ごとフィーチャー。

ミニマルなストリングスを使った地味なファンク路線の曲です。ブリッジでのChamillionaireの歌が非常に良いのでファンの方は是非。


14. Struglin' Feat. Dougie D & Shyna

Guerilla MaabのDougie Dも登場するシリアスな曲。

もの悲しいギターをループした哀愁系のビートで、Shynaのやるせない歌を挟んで鬼気迫るラップを聴かせる良曲です。本作のハイライトの一つ。


18. How Could You Feat. Dougie D & Z-Ro

Guerilla Maab主要メンバーでの曲。

ギターが効いたスムースなファンクビートに、ゆるい歌と高速ラップで乗る曲です。ファンの方にはたまらないはず。

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