2024年おすすめ新譜アルバムVol. 21: Slimmy B & DJ Gutta Butta「All Net 2」
新譜アルバム紹介Vol. 21です。
今回紹介するのは、ベイのラッパーのSlimmy BとプロデューサーのDJ Gutta Buttaがリリースした「All Net 2」です。
Slimmy Bはベイ出身のラッパーで、同地で活動していたコレクティヴのSOB x RBEの元メンバーとしても知られています。DJ Gutta Buttaはベイ出身のプロデューサーです。
SOB x RBEやSlimmy Bの音楽性については以前書いたこちらを。
ソロとしては2019年頃から本格的に活動し、2020年作「Time 2 Shine」などをリリースしています。DJ Gutta Buttaは2010年代後半に登場し、2018年にはSOB x RBEも参加したソロ作「The Collision」をリリース。2021年には二人でのタッグ作「All Net」を発表しています。
Slimmy Bは近年メロディアスなフロウも身に付けており、初期よりもスキルも向上しラフな魅力を損なわずに成長しています。DJ Gutta Buttaは現行ベイらしい跳ねるようなドラムが効いた、ラチェット経由のバウンシーでいてハードさもある作風を得意としています。
今作はシリアスな曲を中心にメロウも程良く取り入れたサウンドで、Slimmy Bが多彩なフロウを聴かせる好作に仕上がっています。
ブリブリのベースが目立つ曲。
ラチェット以降のループ感を持った、ギラギラとしたハードな曲です。ハスキーな声でねっとりとラップするJ. Stalinとも好相性。
チップマンク・ソウル使いのメロウ。
跳ねるようなキックや細かく刻むハイハットがバウンシーな良さを出したビートで、Slimmy Bが歌心のあるラップを聴かせる好曲です。時折挟むメロディ抜きのラップもばっちり。
今作のベストトラック。
シリアスなエレピや犬が吠える声、「Boyz-N-The-Hood」ドラムが印象的な冷たいバンギンです。Lil Bの伸び伸びとしたラップが強烈。
哀愁メロウ路線。
ブリブリのベースと寂しげなギターが効いたビートを、メロディアスなフロウで乗りこなす佳曲です。今作のハイライトの一つ。
10. Better Off Alone
歌声のサンプリングが目立つ曲。
シリアスなピアノとブリブリのベース、跳ねるようなドラムを用いた現行ベイマナーの曲です。歌心のあるラップが見事。
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