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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 83: Zubin「Hospital Garden」

新譜アルバム紹介Vol. 83です。

今回紹介するのは、フィリーのラッパーのZubinがリリースした「Hospital Garden」です。

Zubinはフィリー出身のラッパーです。

2010年代前半に登場。初期はLil Zubin名義でも活動し、2015年にはEP「ZUBIN EP」を発表します。その後も2018年のEP「Misery」、2020年のアルバム「Perfect Hell」などをリリース。そのほかラップグループのMisery Clubや、ポストハードコアバンドのIf I Die Firstのメンバーとしても活動し、作品を数枚リリースしています。

The Weekndを思わせる美声で、繊細かつエモーショナルに歌い上げるスタイルのラッパーです。サウンド的にはエモラップやダークなトラップ、プラグやオルタナティヴR&B系など。いわゆるSoundCloudラップ系の音楽性がベースです。

今作はギターやピアノの音を多用したエモラップ系のものが中心のサウンドで、その美しくメロディアスなラップが堪能できる好作に仕上がっています。


1. Hospital Garden

プラグ系の浮遊感のある曲。

穏やかなシンセが印象的なビートで、優しく歌い上げた良曲です。時折入れる声の汚しが絶妙。


2. I.C.U (feat. Drippin So Pretty)

今作のベストトラック。

切ない響きのギターにトラップマナーの808を合わせたエモラップ系の曲です。Drippin So Prettyのルーズな歌フロウもZubinとは違った良さがあります。


3. Void (feat. Horse Head)

引き続きエモラップ路線。

暖かいギターをループしたトラップビートに、Horse Headと共にメロディアスに声を乗せた曲です。Horse Headのよりエモラッパー然としたフロウとも好相性。


4. In Flames

胸を締め付けられるようなエモーショナルな曲。

少し寂しげなギターが効いたビートで、美声を重ねていく好曲です。声の細かい変化の付け方も見事。


6. Dissociate

美しいピアノを用いた繊細な曲。

ドラムが軽めでハードさよりもエモーショナルな味が際立っています。苦しそうな歌い方の被せも印象的。


9. Second Chance

浮遊感のあるトラップソウル系の曲。

ふうわりとしたシンセやトラップ流儀の808を使った、Bryson Tillerあたりがやりそうな曲です。しかし基本はR&Bというよりもエモラップ的。

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