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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 89: Pell「Floating While Dreaming II」

新譜アルバム紹介Vol. 89です。

今回紹介するのは、ルイジアナのラッパーのPellがリリースした「Above the Fray」です。

ジャケ

Pellはルイジアナ出身のラッパーです。

10年代前半に登場。11年のミックステープ「Pell: That Feel Good」や13年のEP「Feel Good Summer EP」など精力的にリリースを重ね、14年にはミックステープ(アルバム?)「Feel Good Summer EP」で話題を集めます。その後も15年のアルバム「LIMBO」、17年のEP「girasoul」など順調にリリース。今年に入ってからも今作のほか、コレクティヴのglbl wrmngを結成してアルバム「glbl wrmng, vol. 1」をリリースしています。

Chance the Rapperからフリーキーさを抜いたような、ゆるい歌心のあるスタイルのラッパーです。サウンドはネオソウル系の落ち着いたものやインディロック風味、トラップなど。Pharrell Williams的なクロスオーバーなセンスの持ち主です。

今作は生演奏と思しき音も多く取り入れたネオソウルっぽい感触のものが中心のサウンドで、そのゆるいラップや歌が楽しめる好作に仕上がっています。


1. Waves Feat. Tonina

Pellは客演気味にラップするイントロ的な曲。

ピアノが効いた落ち着いたビートに、Toninaの漂うような歌が心地良く乗る良曲です。スクリュー声も良いアクセントになっています。


2. Flight Feat. Dave B.

艶やかなベースが目立つ軽快な曲。

ブギー的なシンセも用いた楽しいビートで、スクラッチやゆるい歌も交えてスムースに聴かせる好曲です。Dave Bの高音ラップもばっちり。


6. Swim Fan

メロディアスなフロウ多めで聴かせるスムース路線。

ブリブリのシンセベースがファンクネスを生み出しつつ、生っぽいエレピや女声コーラスも全編で登場するメロウな曲です。プロデュースにはPell本人の名前も。


8. You're Not Who You Were Feat. Austin Marc

今作のベストトラック。

ベースとドラム、切ないギターで引っ張っていくようなバンドっぽいグルーヴのある哀愁曲です。Pellの歌心のあるラップが見事。


9. Friction Feat. Braxton Cook

00年代半ば頃のKanye WestやJust Blazeが作りそうなソウルフル路線。

美しいコーラスのループに生っぽい質感のドラムを合わせたビートで、Lil Wayneからの影響を感じさせるフラフラとしたフロウを聴かせる良曲です。後半にBraxton Cookのサックスが入ってきてスロウダウンされる展開も印象的。


11. So Cold Feat. PJ Morton & The WRLDFMS Tony Williams

落ち着いた雰囲気でメロディアス成分多めに聴かせるネオソウル。

ピアノなど生演奏と思しき音も導入し、シンガー二人も素晴らしい歌を聴かせる良曲です。締め方も極上。

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