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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 96: Sean Ardoin & Kreole Rock and Soul「Full Circle Feat. LSU Golden Band from Tigerland」

新譜アルバム紹介Vol. 96です。

今回紹介するのは、ルイジアナのザディコ系プロジェクトのSean Ardoin & Kreole Rock and Soulがリリースした「Full Circle Feat. LSU Golden Band from Tigerland」です。

Sean Ardoin & Kreole Rock and Soulは、ルイジアナ出身のザディコアーティストのSean Ardoinを中心としたプロジェクトです。

Sean Ardoinは兄弟と組んだバンドのChris Ardoin And Double Clutchin'のメンバーとして1990年代前半に登場。同バンドでの活動を経て、1999年には自身のプロジェクトのSean Ardoin-n-Zydekoolでのアルバム「Sean Ardoin-n-Zydekool」をリリースします。その後も2001年の「Pullin」など多くの作品をリリースしますが、2005年に一度引退。しかし2009年に新たなバンドのSean Ardoin and R.O.G.K.でのアルバム「How Great is Your Love」で復帰し、以降も精力的に活動していきます。2018年にはソロ名義でのアルバム「Kreole Rock and Soul」をリリース。Sean Ardoin & Kreole Rock and Soulとしては2020年のアルバム「Coronacation Relationships」や、2021年のライブアルバム「Live in New Orleans!」などをリリースしています。

基本はウォッシュボードと呼ばれるパーカッションやアコーディオンの音が特徴のジャンル、ザディコのアーティストです。しかしメロウなR&Bなどの要素も柔軟に取り入れるモダンなセンスがあり、曲によってはラップやオートチューンを聴かせることもあります。現行のルイジアナらしいクロスオーバー感覚を備えた音楽性です。

今作はルイジアナ州立大学のマーチングバンドとタッグを組み(350人が在籍し、今作には146人が参加)、Sean Ardoin関連作の既発曲のリメイクを中心に聴かせる作品です。ヒップホップ要素も少し含んだ、パワフルでエネルギーに溢れた演奏が堪能できる快作に仕上がっています。ザディコに馴染みのない方も是非。


1. LSU Came Thru Pullin

いかにもマーチングバンドらしいイントロからスタート。

アコーディオンが目立つザディコらしい作りですが、マーチングバンドならではの賑やかで重厚なグルーヴがしっかりと出ています。後半ではラップも披露。


2. LSU Two Fingers

ザディコの軽快な魅力が活きた曲。

歌モノの曲ですが歌わずに演奏を引き立たせるような場面も多く、バンドのグルーヴが堪能できます。後半のコール&レスポンスも楽しいです。


4. LSU Fireworks

今作のハイライトの一つ。

歌も演奏も力強いですが、そんな中にも哀愁を漂わせた良曲です。大人数コーラスに今作ならではの魅力も。ソウル好きの方も是非。


6. LSU Sun Don't Shine

ラップっぽい歯切れの良い歌が印象的な曲。

この曲もどことなく哀愁が漂っており、軽快さはありますが沁みる好曲です。唸りを上げるギターソロも美味。


7. LSU In It For A Minute

この曲もラップっぽい歌い方を披露しています。

フックで入ってくるコーラスとの掛け合いも楽しく、「LSU Fireworks」と並ぶ今作のハイライトの一つです。後半にはオートチューンを使った三連フロウも飛び出し度肝を抜かれます。


11. LSU CHANT SONG Feat. Cupid

ヒップホップリスナー的には「Cupid Shuffle」のヒットで知られるCupidをフィーチャー。今作で数少ないオリジナル曲です。

ザディコ成分はそこまで強くないマーチングバンド寄りのサウンドで、ソウルフルでキレのあるCupidとオートチューンも使ったSean Ardoinの歌やラップが楽しめる佳曲です。今作のベストトラック。

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