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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 98: Lute「Gold Mouf」

新譜アルバム紹介Vol. 98です。

今回紹介するのは、ノースカロライナのラッパーのLuteがリリースした「Gold Mouf」です。

ジャケ

Luteはノースカロライナ出身のラッパーで、J. ColeのレーベルのDreamvilleに所属しています。

10年代前半に登場。11年にはミックステープ「The Road To Southwest Blvd」を発表し、12年に発表したミックステープ「West1996」が一部で話題を集めます。15年にはDreamville入りし、同年にリリースされたレーベルコンピレーション「Revenge of the Dreamers II」にも参加。17年には同レーベルからの初となるアルバム「West1996 pt. 2」をリリースします。その後も19年のDreamvilleのアルバム「Revenge of the Dreamers III」や、PhonteやDeniro Farrarなどの作品に参加。作品数はそこまで多くはありませんが、印象的なラップを残しています。

少しYG似の高めの声質で、シャープでいて歌心と軽さのあるラップを聴かせるラッパーです。路線的にはブーンバップ系譜の暖かくソウルフルなものが中心。

今作は近年のDreamville作品らしくトラップ要素も消化しつつ、生演奏と思しき楽器の音も積極的に取り入れた快作に仕上がっています。ゴスペルの香りも。


1. 100

落ち着いた雰囲気のソウルフル路線。

Kendrick Lamar「Bitch, Don't Kill My Vibe」系の、ゆったりとしたギターに浸れるビートです。後半で入ってくる生っぽいサックスやオルガンが極上。


2. GED (Gettin Every Dolla)

生演奏をふんだんに取り入れたメロウ曲。

心地良いエレピやギター、トラップ的な高速ハイハットが効いた優しい曲です。ドラムも生演奏のようで、D’Andre Thigpenの名前がクレジットされています。


4. Be Okay

プロデュースはBlakk Soulら。

Soulquarians周辺を思わせる穏やかでソウルフルなビートで、フックではコーラスも入れて歌う良曲です。ゴスペルっぽい匂いも。


5. Eye to Eye Feat. Cozz

ピアノなど生演奏と思しき音を多用したジャジーな曲。

二人のラップも良いですが、フックで入ってくるサックスが素晴らしい格好良さ。後半のソウルフルな歌と動きのあるピアノ、サックスやストリングスの絡みも凄いです。


6. Changes Feat. BJ the Chicago Kid

今作のハイライトの一つ。

暖かいギターや弾力のあるベースを使ったソウルフルヒップホップです。三連フロウを多用したLuteのラップも、フックでのBJ the Chicago Kidの歌もキレがあり一聴惚れを誘います。


8. Amen Feat. Little Brother

ゴスペルっぽい匂いのする上品な曲。

美しいシンセが敷かれた空間に太いドラムを合わせたビートで、実力者揃いのマイクリレーが楽しめる好曲です。ドラムが抜けてコーラスとギター、サックスが絡むアウトロがお気に入り。


10. Flossin' Feat. WESTSIDE BOOGIE

Marco Poloプロデュース。

たまに作るGファンクっぽいベースを使ったビートです。しかしドラムは太いブーンバップ流儀。WESTSIDE BOOGIEの華のあるラップも合っています。


11. Life

ソウルフルなギターとタイトなドラムが効いたブーンバップ。

フックではコーラスも入れてゆるい歌を聴かせます。全編で絡んでくる生のストリングスも美味。アウトロではソロもあります。


12. Overnight

PhonteとJSmash、Zo!の共作。

高速ハイハットと生演奏と思しきギターやベースが印象的な哀愁路線です。アウトロでの鬼ファンキーなベースと美しいピアノのソロに悶絶必至。

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