2023年おすすめ新譜アルバムVol. 58: TisaKorean「Let Me Update My Status」
新譜アルバム紹介Vol. 58です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパー兼プロデューサーのTisaKoreanがリリースした「Let Me Update My Status」です。
TisaKoreanはテキサス出身のラッパー兼プロデューサーです。
2010年代後半に登場。2017年にはミックステープ「Stupid Dumb Geek」を発表し、2018年のシングル「Dip」のヒットで注目を集めます。その後は2019年のミックステープ「A Guide to Being a Partying Freshman」を経て、2020年にはシングル「The Mop」がヒット。同年にはアルバム「Wasteland.」をリリースし、以降も2021年の「mr.siLLyfLow」など精力的に作品を発表しています。
The Sauce Factory周辺などに通じる、ルーズでイナタいフロウを聴かせるラッパーです。プロデューサーとしてはSoujla BoyとThe Neptunesを足したようなミニマルで奇怪な作風。2000年代のダンスヒット系を2010年代トラップ以降の感覚で再構築するようなアーティストです。
今作は声ネタもふんだんに使った、2000年代の匂いが強いユニークな作品です。怪曲のオンパレードなので、少し変わったヒップホップを聴きたい方は是非。
某ラッパーの声ネタを執拗にループした曲。
声ネタ以外はドラムのみの奇妙な曲です。アドリブもかなり多く使っていますが、意外なほどすっきりとした印象。
The Neptunesっぽい爽やかな曲。
ミニマルで清涼感のあるシンセに、ルーズなフロウとループ感の強いアドリブで乗る好曲です。「Boyz-N-The-Hood」ドラムも使用。
「ユー!」とどこかで聴いたアドリブを繰り返す曲。
ビートもかなりそれっぽく、スティールパンやミニマルなシンセが目立つダンサブルな仕上がり。わかる方にわかるはず。
5. uHhH HuH.Mp3
ブラスのようなシンセが主導する曲。
ちょっとEDMっぽい音色ですが、隙間を活かして跳ねるようなリズムで使いヒップホップマナーに聴かせています。女声のアドリブも印象的。
ハイフィっぽいタイトルですがSoulja Boy風です。
ミニマルなシンセのループに割れ気味のオケヒが絡むビートで、ルーズなラップが楽しめる良曲です。三連フロウに2010年代を通過した味も。
The Neptunesのメロウサイドっぽい曲。
ハープのような甘酸っぱい鳴りのシンセに歌声サンプリング(日本語?)を合わせたビートに、どこか切ないラップを乗せた曲です。メロウですがストレートではない良さ。
この曲でも「ユー!」を多用。
曲名もかなりそれっぽいですが、ビートもやはりそれっぽいです。ふざけたような発声のラップもばっちり。
切ないギターを使った哀愁メロウ曲。
ラップを全編低速化しており、テキサスらしい側面を見せています。ギャップのある声ネタ使いが強烈。
テンションを抑えたようなラップを聴かせる曲。
スティールパンや「ユー!」アドリブなど、この曲もかなりオマージュっぽいです。ラップのテンションの低さに反して賑やかなアドリブも印象的。
ハイフィを思わせるダンサブルな曲。
ミニマルなシンセやアグレッシヴなドラムが効いた怪曲です。ふざけたようなラップも見事。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです