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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 33: Fiend「Thank God It's Fiend」

新譜アルバム紹介Vol. 33です。

今回紹介するのは、ルイジアナのラッパーのFiendがリリースした「Thank God It's Fiend」です。

ジャケ

Fiendはルイジアナ出身のラッパーです。

かつてはBig Boy Recordsに所属し90年代前半から活動。95年には1stアルバム「Won't Be Denied」をリリースします。その後No Limit Records入りし、98年には同レーベルからの初作品「There's One In Every Family」をリリース。同レーベルの看板ラッパーの一人に成長し、3rdアルバム「Street Life」や多くの名曲を残しますが、00年に同レーベルを脱退。同年には独立後初となるアルバム「Can I Burn?」をリリースし、さらにRuff Rydersと契約します。その後は02年にはThree 6 MafiaのDJ PaulとJuicy Jとのグループ、Da Headbussazでのアルバム「Dat's How It Happen to'M」をリリース。以降もソロアルバムのリリースを重ねますが、06年の「The Addiction」からは活動が一時マイペースになります。しかし、11年にCurren$y率いるJet Lifeと契約しシーンに本格復帰。10年代を通してミックステープを精力的に発表してきました。

野獣のようなワイルドなラップと、野太い低音を活かしたクルーナースタイルのラップ・歌を聴かせるラッパーです。No Limit時代はパワフルなスタイルが目立っており、Jet Life時代はクルーナー寄りの印象。サウンド的にはルイジアナGらしいバウンスやメロウ、Jet Life印のソウルフル路線など。

今作ではクルーナー系のスタイルも多少使っていますが、かつての荒々しいFiendのラップスタイルがかなり戻ってきています。ビートはトラップやバウンス、ソウルフル系など。G好きの方にはたまらないであろう傑作に仕上がっています。


1. C A T F I S H

勇壮なホーンを使ったトラップ。

シリアスなピアノで渋く語るイントロから、ビートが始まってブチ切れラップを聴かせる瞬間に思わず拳に力が入ってしまいます。スムースなフロウも少々披露。


2. Survivors Anthem

野獣ラップが炸裂するド迫力の曲。

三連フロウも使ってパワフルに迫る良曲です。音的にはトラップですが、往年のファンの方にもアピールし得る曲だと思います。


3. 448 Feat. DJ Paul

かつてDa Headbussazで組んだDJ Paulをフィーチャー。

ルイジアナ流儀の泥臭いトラップビートで、Fiendのブチ切れラップとDJ Paulのヌラリとしたラップの絡みが楽しめます。ファンの方はノックアウト必至。


4. Make UGK Proud

タイトル通りUGKがやりそうな曲。

ピアノやエレキギターの音が目立つブルージーなサウンドに、ソウルフルで荒々しいFiendの歌やラップが乗る好曲です。熱くさせられます。


6. All U Can Get Feat. Mr. Serv-On

元No Limit戦士のMr. Serv-Onとの共演曲。

ブルージーなギターにトコトコ系ドラムを合わせたシリアスな曲です。Mr. Serv-Onのラップもキレがあります。


8. How Far We Come Feat. Tre Woods

遠くから聞こえてくるストリングスがたまらない哀愁路線。

寂しげなピアノを使ったトラップビートで、野獣フロウの中に抑えめなフロウも織り交ぜてラップする良曲です。フックでの歌も絶妙。


12. Flow On Feat. Paul Wall

例の高音シンセをループしたテキサス風の曲。

808の使い方などは現行マナーですが、往年のG好きの方でも気に入ると思います。スクリュー声ネタフックもばっちり。


13. Protect Ya Energy

Jet Life以降のFiendっぽいソウルフル路線。

メロウなエレピが心地良いサウンドに、クルーナースタイルで優しくラップする良曲です。この流れで聴くからこその良さ。

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