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2021年おすすめ新譜アルバムVol. 13: Menahan Street Band「The Exciting Sounds of Menahan Street Band」

新譜アルバム紹介Vol. 13です。

今回紹介するのは、NYのファンクバンドのMenahan Street Bandがリリースした「The Exciting Sounds of Menahan Street Band」です。

ジャケ

Menahan Street BandはNYを拠点に活動するファンクバンドです。

00年代半ば頃に登場。08年には1stアルバム「Make the Road by Walking」をリリースします。11年のCharles Bradleyとのタッグ作「No Time for Dreaming」を挟み、12年には2ndアルバム「The Crossing」をリリース。その後もCharles Bradleyとのタッグ作を数枚リリースしているほか、メンバーがEl Michels Affair(以前記事も書きました)などの別バンドでも活躍しています。また、Jay-ZやKendrick Lamar、Curren$yなど多くのラッパーがMenahan Street Bandの曲をサンプリングしており、ヒップホップリスナーの間でも知名度が高いバンドです。

ファンク・ソウルを軸に、アフロビートなども取り入れた暖かく骨太なインストを聴かせるバンドです。ヒップホップ的なニュアンスも強く持っており、一部を切り取ってそのままループすればヒップホップとして成立し得る曲も多くあります。

今作は、ファンク・ソウルをキーワードにやりすぎない程度に多彩な表情を見せる快作に仕上がっています。


1. Midnight Morning

繊細なスウィートソウル系の曲。

暖かいサックスが主導する印象の曲です。優しいキーボードやギター、艶やかなベースやタイトなドラムも沁みます。


3. The Starchaser

スペイシーなキーボードが印象的なファンク。

情熱的なギターやサックスも効いた力強い曲です。ポコポコと鳴るパーカッションも良い味を出しています。


4. Silkworm

今作のベストトラック。

太いドラムとカッティングギターが支える、ブーンバップ的にも聴けるファンクです。一瞬の抜きで入るハイハットが最高にクール。


5. Cabin Fever

シンプルなベースの反復が印象に残る曲。

随所で絡みつくスペイシーなシンセがたまりません。Pファンク好きの方は是非。ドラムも太いので、ブーンバップ好きの方にもおすすめできます。


8. Queens Highway

1分弱の短めの曲。

いかにもサンプリングされそうなギターが素晴らしいです。ヒップホップアルバムにインタールード的に入っていそうな雰囲気も。


10. Parlor Trick

妙にサンプリングっぽく聞こえるドラムが目立つ曲。

シンプルに繰り返されるギターのリフやサックスもヒップホップ的です。そんな中で歪んだギターソロが良いアクセントになっています。


12. Stepping Through Shadow

ゆったりとした哀愁系の曲。

鍵盤やドラムが優しい空気を作る中、うにょうにょとした不思議なサックス(?)がスッと沁みる良曲です。コーラスも絶妙。


14. There Was a Man

恐らく故Charles Bradleyへのトリビュート曲。

力強くも暖かいサウンドで、いかにもCharles Bradleyが歌い出しそうな雰囲気があります。豪快な味もあるサックスやギターにCharles Bradleyの歌を思い出す瞬間も。

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