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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 63: Ella Mai「Heart On My Sleeve」

新譜アルバム紹介Vol. 63です。

今回紹介するのは、西海岸のシンガーのElla Maiがリリースした「Heart On My Sleeve」です。

ジャケ

Ella MaiはUK出身で現在は西海岸を拠点に活動するシンガーです。

これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後はMustardやWizKid、Usherなどの作品に客演で参加しています。アルバムやEPのリリースは久々となります。

今作はラッパーの客演も交えて少し変化を付けていますが、基本的には前作と同じロマンティックなR&B作品です。R&B好きの方は是非。


1. Trying

Metro Boomin関連作などで知られるPeter Lee Johnsonも関わった曲。

穏やかなエレピにスナップ音を合わせた、2000年代の延長線上にあるような曲です。後半のストリングスにPeter Lee Johnsonの色が出ています。


3. Didn't Say Feat. Latto

GYLTTRYPとMustardの共作。

Mustard印のブリブリのシンセベースを使いつつも、静かでメロウなR&Bに仕上げた良曲です。Lattoのヴァースも曲の空気を壊さない絶妙なバランス。


4. Break My Heart

D'Mileプロデュース。

オーガニックで落ち着いたソウル路線ですが、スペイシーなシンセなどでモダンな要素を注入したLucky Daye作品にも通じる曲です。Ella Maiの歌とも好相性。


5. Fallen Angel

少し2000年代のThe Neptunesっぽい曲。

強く主張するパーカッションとメロウなエレピを用いたビートで、スウィートな歌を乗せていく好曲です。Pimp Cの声ネタも使用。


6. How Feat. Roddy Ricch

今作のハイライトの一つ。

Mustardも関わったメロウでいて軽快なビートに、Ella Maiの堂々とした歌いっぷりとRoddy Ricchのオフビート気味の歌フロウが乗る佳曲です。静かなフックもばっちり。


7. Pieces

The WeekndやMimsなどで知られるDannyBoyStylesが関わった曲。

ストリングスをループしたダークなビートですが、オルタナティヴR&Bではなく2000年代R&Bっぽい匂いが際立った曲です。Ella Maiの歌も自然に馴染んでいます。


8. DFMU

落ち着いたピアノが印象的な哀愁曲。

プロデュースはJ HoltとMustardで、高速ハイハットが今っぽい空気を出しつつも全体的には1990~2000年代っぽい空気に仕上がっています。Ella Maiの歌が沁みる良曲。


11. A Mess Feat. Lucky Daye

Drakeがやりそうな浮遊感のある曲。

ふうわりとしたシンセや手数の多い808を使ったビートで、Lucky Dayeの悩ましい歌と絡むR&Bファンの方なら悶絶必至の曲です。激しすぎないドラムが絶妙。


13. Leave You Alone

ちょっとフューチャーベースっぽい弾力のあるシンセが効いた曲。

低い声やラップっぽい歌い方も交えつつも、R&Bとしてのスウィートな良さを失わないバランスが見事です。控えめにトークボックスも使用。


14. Sink or Swim

再びD'Mile制作曲。

手数の多い808とドリーミーなウワモノを使ったビートで、時々早口で詰め込むような歌も聴かせる好曲です。しかしヒップホップ色は濃すぎず、あくまでR&B。


15. Fading Out

Jon Batiste「WE ARE」にも関わっていたJahaan Sweetプロデュース。

美しいストリングスやピアノを使ったビートに、Ella Maiのソウルフルな歌が絡む佳曲です。シリアスですが切なすぎず、力強さを感じさせる仕上がり。

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